適応せよ、同化するな

生物が生き延びてきた背景には、変わり続ける環境変化にいかに対応/適応してきたか、が重要らしい。気温変化を筆頭に、暑さ寒さ、湿潤と乾燥、生物が生きていくために必要な状況をキープしつつ、周りに同化することなく適応する事。

 

同化してしまうと、その環境が続いている間においては、非常に効率がいい生存形態となるだろう。だが、諸行無常。常に形あるものは変わり、変化していく。だから「その環境」に同化しすぎてしまっては、そこから少しでも変化したときには、大きなダメージを食らう危険性が高いという事だ。同化するほどに効率化しすぎるのはよくなくて、適応するほどに余裕を残していなければ、次の時代に向けての変化に対応できなくなるか、もしくは変化に対する遅れが大きくなるという事。

 

…と翻って昨今の経済環境を紐解く。

景気が思ったほど上向かず、どの企業も効率を上げるという事に血道をあげる。極限まで効率を上げて、この景気の環境に同化することでしのごうとしている気がしてならない。もちろん、この環境において儲けが出るほどに究極に効率化できれば苦労はないが、そうなったときにはたぶん間違いなく、次の変化が生まれている事だろう。変化に対応するためにはそれなりに工数を必要とし、今の現状におけるどこかで、今の状況における「無駄」を作り出さなければ、変化に対応できなくなる。

結果、常に何らかの無駄を使いつつ変化し続けなければ、たぶん、生物のみならず、企業と言う生き物も生き続けられないであろうという事。

 

同化するほどにまで対応するのではなく、適切なレベルで変化し続けよ。変化のためのコストを見積もり続けよということ。これは「無駄」ではなく、「成長への投資」なのだから。