固さと柔らかさ

モノを丈夫にしようと思うと、たいてい「固くする」方向に考えがちだ。

ただある限界を過ぎると、実は柔らかさというか、しなやかさを備える事こそが、丈夫になるという事もある。

 

飛行機の羽を離陸、着陸の時に見たことはないだろうか?かなり「しなって」おり、あれ、折れそう!とやきもきした心持で眺めたことはないだろうか?

あれは逆に硬すぎると、「ポキッ!」と折れてしまう事につながるため、しなる事で力をいなしている効果があるらしい。

 

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今、どこの企業においても、企業の中で進められている効率化。これは、企業や組織をより強固にしよう、儲けを確立していけるスリムで強靭な体制を築いていこうという方向性に見える。…がゆえに、あまりに効率化しすぎる、すなわち無駄作業、余剰がなくなりすぎると、ある事が、ある人が、ある装置が一つ、一人、一か所動かなくなっただけで、その組織が、ビジネスが、ポキッ!と行く可能性が増えているのではないだろうか?それこそ頭の悪い上司にそういうことを提言すると、「それも含めて効率化せよ!」などと、実質二律背反する命令を出している人もたまに見かけることに。

 

いざという時にサポートに入れるほどに、仕事に重なりを持ったり、バックアップ体制を持つというのは、いわば「非効率化」の極みだ。そんな「無駄」を「効率化せよ」と現場に強いていることがイメージできていない上司がいかに多いことか。

そう、であるがゆえに当たり前だが、どこを「どのくらい」効率化するか、逆に言うと、いざという時でもここまでのダメージは受け入れる、ということとバーターで効率化を考えなければならないということ。

 

まぁ、そんな明確な指標が出ていれば、今の現場で病んでいる人は多分、今の半分になっているかもね。