記録は限りなく増殖する

約10年前、別のSNSで、自分が持つデジタルデータの記録容量をざっくりと計算してみたことがある。

当時の記録で、1Tから2T弱の間くらい。写真やビデオが増えつつあることを考慮して、将来は10Tくらいかな?とか暢気に構えていたが、今やそれすら超えつつある現状が見え始めている。

 

皆さんご存知の通り、すでに「写真」は、生活にしっかりと根付いた感がある。裏付けるかのように「インスタ映え」という言葉が普通に使われるし(流行語?)、店の側の商品の作りや展示も、それを意識したものになっているのは言うまでもない。そのくらいケータイ/スマホにカメラが付随しているのは当たり前であり、それで写真を撮り、友達と、見知らぬ誰かと、それを共有し、共感する事/される事が、楽しみになっている世界になっている。

…であるがゆえに、写真も、そしてビデオも、それ以前とは比べ物にならないくらい皆が撮影し、そしてその品質、画素数、ファイルの大きさが、(当時想像をする事さえなかった)尋常じゃない大きさに育っている。

 

ビル・ゲイツが当初パソコン用システムを開発したときに、640KBの壁を「こんな大きさ以上のものは必要ない」などと言ったらしいけれど、すでに現在では写真1枚で、3GB, 4GBの大きさのファイルになっていることは当たり前の世界になっていることを思うと、めまいすら覚える。

 

話がそれたが、これにより問題になっているのは、ためておく場所、ストレージの話だ。HDDも、SSDも、10年前に比べると相当大容量にはなっているけれど、それ以上のスピードで、ユーザーのデータ生成量が増えている現在、とてもではないけれどまともにサポートできていない事実が存在する。それは特にデジタルに疎い個人宅内において顕著であり、それぞれの過去の機器の中、記録装置の中にそのままに放置され、やがて使えなくなったり、稼働しなくなった装置の中のコンテンツが、そのまま失われて行っている状況が目に浮かぶ

 

結局、いくら記録にとれたとしても、それをまともにためておく手段、装置、リテラシーが伴わなければ、きちんと「記録として」継承されないという事実。これは人知を超えるスピードで増殖しているという弊害と言ってもいいのかもしれない。まぁデジタルに限らず、アナログ時代からの記録もそうなんだけどさ。けど、根本的対策は、物理的限界などもあり、なかなか厳しいものがあるんだよね。

 

結局、どこかのストレージサービス会社に頼るしか手はないのかね。

データを手元に置いておく時代ではなくなったのかな。