リスクレイヤー

過日にも書いた「続き物が多いコンテンツ業界」だけれど、単なる続き物以外のものに挑戦しようとしているという企業、声も聞こえてくる。だがそれであっても、ある意味で部分的リスクを回避しているという考え方を取り入れているところがある。

 

たとえばテレビドラマや映画。今までにはない新作…なのだけれど、じつは「漫画原作」などというのは枚挙にいとまがない。昔から「原作小説」があるものはいろいろあったけれど、昨今はより映像イメージが確実な漫画原作が増えているような気がしている。これは放送局サイドにおいて、作る現場において、スポンサーへの説得材料として、「面白い映像になるだろう」というところをある程度「漫画原作」で担保しているというところ。この部分のリスクを軽減していることに。

だが当然ながら、それだけ「期待値」が高ければ、それに見合った俳優、演出が必要になるわけで、それはそれで超えるべきハードルが高くなるということにもなる。

 

現場は現場で、新しい演出のために新技術を導入しなければならないかもしれない。となると当然ながら「技術リスク」がついてくる。

広報宣伝はそこはそこで、あらたなビジネスモデルや、販売のための仕掛け、今までにない展開の仕方を工夫しなければならないリスクが存在する。

 

そう、結局リスクはなくならなくて、リスクをとるレイヤーをどこに設定するかだけの話。あるリスクを低減する事で、別のリスクが顔を出すだけの話。

…であるから、原作がないからとあきらめる必要もないし、技術がないからとあきらめる必要はない。それをいかにして乗り越えるのか?それを考えること、実現することに、その現場の、職場の働き甲斐があるはずであり、それこそが求められている「仕事」のはずなのだから。

 

自分がどこのリスクレイヤーで勝負を挑んでいて、どうやってそれを克服していこうか?と意識できていること、リスクと対峙できていることこそが重要なはず。

 

で、皆さんはどのレイヤーを取ってますか?