ネーミング

AIスピーカー元年になりそうな今年2018年。昨年末あたりから、GoogleAmazonが、音声認識して応答するスピーカーを発売し、それを称して「AIスピーカー」と呼んでいるメディアがある。

「AI」は100歩ゆずってわからんでもない。が、「スピーカー」は音を出すことだけを称してそう言っているだけであり、これに関しては違和感を感じる。なぜなら、音声を聞き取る、いわゆる聞き取る機能をまったくひょうげんしておらず、ならばパソコンだってラジオだって「スピーカー」なはずで。

 

その概念を表す、要するに適した既存の言葉が今はないからこそ生まれるこうしたネーミング。だがこの最初のネーミングを間違うと、その事によって植え付けられた、想像された認識で、それが大々的に広まったり、思ったほど広がりを見せなかったりするという重要な位置づけもある。ネーミングセンスはとても重要だ。

 

こういったネーミングの点において、SNSは非常に優秀な働きをしていると感じている。様々な事象、物事にたいして匿名の大多数が名前を付けてきた。数十年前なら口コミで広まることによるスピードだったので、なかなか伝達速度は上がらなかっただろうけれど、今じゃ場所は関係なく、マッチしたネーミングであれば、全国に広がるには1週間とかからない。場合によっては半日もあれば日本中に展開しているその言葉。

 

適切な能力に適切な名前がついていれば、それは一気に広まる。

大したことのない能力でもネーミングが良いことではやることもある。

優秀な機能、性能でも、ネーミングが悪ければ、なかなか広まらない。

そのくらいネーミングは重要であり、であるがために人々は名前を付ける際に非常に思い悩む。

 

ただ経験上、考え始めた瞬間に良いアイデアは浮かばなくなることが少なくない。

それよりも直観に近い形で、ほぼ初期に出て来る良いもの、ポッと出てきたのにのっかる方が、逆に後々まで広がることもある。

 

子供の名前も、イベントの名前も、モノの名前も、やっぱり悩ましい。

今年もいろいろ新しいモノや事が生まれるだろう。今年生まれる新しい「名前」はなんだろう。