やっぱり「働かせ」改革

オリンピックも一段落し始め、ようやくメディアも国内事情をまともに取り上げ始めるようになって。ここへきてようやく「働き方改革」のアラがいろいろと出始めたことに気づきはじめ、いろいろとかまびすしい。

 

当初の働き方改革を推進する形で出てきたデータはというと、「裁量労働制」にすることにより、「労働時間が減る」という事を示すものが出てきたわけだ。が、当然実際に実施されるとそんな事になるはずはなく、そのデータの集め方、比較の仕方に不適切な扱いがあることが取り上げられた。

時を置かずして(隠しきれなくなったのだろう)その不適切なデータ自体は認めたわけだ。だがしかし!「改革はこれからも推し進めていく!」との状況。これ、土台としての「労働時間削減」が崩れつつある状況で、それでも推し進めようとすることで、まさに馬脚を露した状況ではないか。要するに「成果が出るまで無限に働かせ続けたい」との思いがそのまま言葉になったとしか思えない状況だ。

 

すでにあちこちで取り上げられ始めているけれど、「裁量労働制」は文字通り、「働く内容自体」に、「自分自身での裁量が行える」からこその「裁量労働制」。だから、去年より手取りが少なくてもいいから楽がしたい…と思えば、成果を上げず給料が減ろうが、楽に働けばいい…という「裁量」が与えられているからこその、「裁量労働」。でもこんな職場が一部の管理職を除き、一般化していますか?この適応範囲を広げる?事実上、ほとんどの職種、メンバーに適応できる?馬鹿じゃないのか?と思う。

今のままなら、いわば、ブラック企業とここ最近言われている企業の働かせ方を、法が裏打ちしようとしている状況ではないですか?裁量など事実上与えられない「ノルマ」を課せられる(これ自体、すでに「裁量」がないのだが…)働き方で、成果を出すまで寝るな、休むな…という状況に。

 

ある意味、国が人口的に、ビジネス的に、衰退するような状況で、それでも以前のように活況を呈したいという拡大、活況路線を展開しようとすると、こうした策しか提唱できないのかもしれない。すでに女性の力を利用できるところも限界に近いのだろう。

 

けっしてこれからも発展しない…などとは言わないが、まず「今の状況/現状」を正しく認識しようじゃないか。人口は減るんだ。労働人口は減少するんだ。それにどのように対処していくのか?それでも今まで通りで行きたいのか、行けるのか?人々が求める幸せは何か?すべてを「少なくとも今までの水準」で維持し続けるために、弱いところにしわ寄せをし続ける現政権がいまだ健在なのは、やはり「支持率」が高いからだろう。で、この流れでいいんですかね?みなさん。