ずさん

ずさん。感じでは「杜撰」と書く。意味は「誤りが多く、いい加減なこと。粗雑。」だそうだ。いい印象を抱く言葉ではないだろう。

 

だが、この「ずさん」な状況でここまで運営されてきたのが、実は「この国」だった、というのが、昨今見えてきたこと。政治家にいい人はいなくても、官僚がいるから…とか冗談で言っていた人はいただろうけれど、その官僚の仕事も(もちろん全員ではないと思うが)ずさんな仕事が山のようにあった、その結果としての、今の日本であり、今の経済状況であり、今の財政状況であり、今の社会環境…。

 

たぶん、一部それらの匂いに敏感な人たちは、そうしたところに果敢に切り込んで、おいしい蜜を吸った人もいたことだろう。ただ大多数の人たちは、そうした恩恵にあずかることなく、自らの自助努力で、社会ルールとしてあると信じ、正しく運営されていると信じていたルールの中で、努力をして生活を立ててきた。けれど、この何か月かで見えてきたのは、たぶん、信じてきたシステムのあちらもこちらも、実はずさんな運営状況で回ってきたということ。他国であるならば、暴動が起きたとしてもおかしくなさそうな、そんな、まさに「杜撰な状況」ではないだろうか?

 

貧すれば鈍する、というたとえもある。バブル経済がはじけて、10年とか20年とか言われるけれど、あと数年もすれば30年に。その間に人口はピークを迎え、よほどの奇策でも打たない限り今から人口は増えずに明確に減少する国。さらに働き手の数も減り、国力が落ちていくことが明確な国。

こんな中で、既存の企業が、「今までと同じ商品、サービスを、今まで以上にお安く提供」を目指していったとしても、立て直しには程遠い。それよりも、まったく今までにない価値、今までにないものを生み出さすことにかけなければならない状況。

でも、杜撰な社会の中で、「まともにルールを守っている奴がバカを見る可能性が高い社会」との空気が蔓延した中で、誰が何かを打って出ようとするだろう?

 

2020年の東京オリンピックマイルストーンにしている人々は多くいるだろうけれど、たぶん、それより少し手前から不景気の気分は蔓延しそうなことは想像に難くない。

あぁ、暗いネタしか思いつかない。