頭のいい人

たまに、「あぁ、この人は頭がいいんだろうなぁ」と感じさせる人がいる。だがこれも、いくつかに分類されそうに思う。

 

一つは、自分が知らないような知識を、理路整然とツラツラと語る人。難しい学問分野や、数学、経済学などの話題を語られることで、あぁ、勉強なさってるんですね、という雰囲気ぷんぷん。

そんな人と直接話をすることになった瞬間に、また少し印象が変わるかもしれない。その人の博学の印象を持ったうえでお話しすることになるわけだ。だがここにもたぶん二つあり、一つは当然のことながら、その人の話がむつかしすぎて、ほとんどついていけない話になるということ。まぁ仕方がないだろう。

けれど、そんな人と話をしたとしても、その人が「我々のレベル」に合わせて話をしてくれる。それも、ご自身の専門の内容を、大変容易に理解できる形でお話をしてくれることがある。これはある種の感動ものだ。あぁ、私でもわかる!すごい、そうか、そう考えればいいのか!とまさに目からうろこ。

 

このすごいところは、その博学な相手が、「相手の理解の度合いを話を進めていく中で感知し、その相手の理解しているであろう言葉の範囲を使って、その相手が理解してくれる内容として話を進めてくれる力」を持っているからこそ実現できること。

このとても分かりやすい例は、外国人と話すときだろう。あなたがその国の言語に精通していない場合、その国の言語の中でもつたない言葉をつないで質問した時、それに応じて「相手にわかりやすく、身振り手振りを使って、コミュニケーションをとろうとしてくれる」能力。それが、外国語のみならず、おなじ日本語を使う場合においてでも、特定の知識分野の中でそれができる。まさに「意味」を理解して、「かみ砕いて説明できる」能力。これこそ、本質がわかっていなくてはできない能力。

 

たぶん、本当に頭のいい人は、何も考えずにそんなことができるのだろう。

あやかりたいあやかりたい。