単なる効率化の先(提言)

今の(私の所属先のみならず)多くの企業においてよく言われていること、ハッパをかけられていることは、仕事の効率を上げなさい!ということではないだろうか?

すでにこれは今に始まった話ではなく、日本企業であればもうずっと昔から連綿と言われ続けていること。それこそトヨタ系の系列企業などは、毎年何%かのコストダウン、仕事の効率向上が目標値になっているとかいないとか。

 

バブル経済崩壊以降、失われた10年と呼ばれ、それでも回復せずにもう失われた20年にならんとしている現在。各企業はその中でもがき、もっと効率化、もっと安く…ということに血道をあげてきた。

 

けれどそれでも経済は一向に劇的復興を遂げることがなく、これだけお金を市場にじゃぶじゃぶと提供しているにもかかわらず、景気が上向かない。
(さらに私の肌感覚では、景気は上向かず、手取り給与はほとんど変わらないか下がり気味。そんな中で、モノの価格はじわじわと上昇し始めている雰囲気を感じる。ランチ代、ちょっとしたお惣菜の価格などなど、身近なところでジワリと価格上昇している感覚、ありませんか?)

 

ものの本にも書かれているけれど、要するに「効率」だけを上げても「生産性」自体が低ければ意味がないということ。そう、「100円のものを作って10円の利益をとり、これを1万個売って商売をして10万円の利益を得る」よりも「10000円のものを作って1000円の利益をとり、これを100個売る」という商売に切り替えなければならないのでは、ということ。

 

これは何が効いているのか?まず間違いなく人口減少の傾向だろう。

ではそれに対してどうすればこうした生産性向上に寄与できるのか?

もちろん今でもできない事ではない。が、実質できていない。今やり続けて失敗し続けているのは、無駄な、単価の低いモノづくり、サービスを、なんとか継続していこうとしていることに他ならない。
じゃぁそれをジャッジできるのはだれか?これはもちろん「現場労働者」ではなく経営サイド、そう「マネジメント」サイドのマインドが大幅に変わる必要が多分にあるということ。

…であるうえでの「働き方改革」でなければならないのに、どうも「労働者の皆さん、働き方を効率よく」と、「労働者側」に責務を押し付けているようでは、たぶん、何にも変わらない。いや、むしろモチベーションを下げ、労働環境をより厳しく締め付ける傾向にしか流れないので、より悪い方向になることは想像に難くないだろう。

 

じゃあやり方はないのか?

ちょっと過激だが、私はこんなアイデアを提言したい。それは、週休3日を導入することだ。「いや、いまでも残業規制をしているのに?」なんて言う言葉が返ってくることは容易に想像できる。だが考えてみてほしい。「残業規制」をして、早く帰る日を設定したからと言って、じゃあ「絶対に家に仕事を持ち帰っていない」だろうか?実は持ち帰っていませんか?これは実質的にどういうことか考えればすぐにわかるのでは。要するに会社で本来ならば残業代が支払われる分を、家でサービス残業でしのいでいる、ということに他ならないではないですか?要するに資本家サイドが仕事の本質、量を見直さず、今までと「同じ内容」を、より短時間で行って、できない場合は残業代をケチって労働者側に押し付けているということ以外の何物でもないのではないか。
だから根本的に資本家サイド、マネジメントサイドが、否が応でも今の無駄な仕事、生産性の低い仕事を削らざるを得ないくらいにドラスティックに時間を削る施策が必要に。そのための週休3日。

 

もちろん、最初は痛みもあるだろう。だから逆に残業規制は緩めてもいい、その代わりに週休3日だ!

たとえば土日と水曜を休みにするとすると、月曜火曜はしっかり働き残業もするが、火曜は完全に休み。木金も同様だ。二日くらいなら無理も聞くのではないだろうか?

さらに、理想は週休3日にしても今と同じ給料…を目指したい(実際そのイメージで、ある会社内の真の働き方改革を成功させているところも)が、さすがに資本家サイドもすぐにはきびしそうなので、少しは現行給料を割り引いてもいいかもしれない。だが逆に残業はOKという妥協。

こうすれば、今は本当に意味をなさないプレミアムフライデーなども、さらに追加で火曜の夜にも意味が出てきたりするだろう。さすがにこれだけ休みが一気に増えれば、みなさんの休みの行動形態も変わり始めるだろう。観光地も分散して利用される傾向が出るのではないだろうか?

 

結局、いまだ、ただ残業規制をしているだけでは、マネジメントサイドのマインド、「この仕事とこの仕事はやめる」という大胆な生産性向上の意識が働かない。そのためにも大胆なこんな施策が功を奏すると想像する。

 

実際、すでに一度企業を退職された方が再就職されているような場合、週休3日での勤労体系は存在している。もちろん、すでに退職されているので経済的な多少の猶予はあるだろうけれど、いまから国民みんながそういう社会に切り替えるのも一つの手ではないかと思うのだが。
どなたか経済学者がそう切り替えた際の試算とかしませんかねぇ。