それは当然の結末

企業は、利益という経済評価指標に合わせてビジネスを行っている。と、儲けが出ないことが非難され、株主から非難されることもある。とはいえ、当然、無限に投資をできるわけもなく、限りある投資資源を有効活用したの中で、最大限にリターンを得られるように新規開発、開拓を進めていく。

とはいえ、規模が大きくなればなるほど、抱えるリスクも大きくなる。リスクへの対応においてさえ効率化出来なければ、ある意味そのリスク対応にかかる費用と会社の利益が均衡した点が、その組織としての成長の限界点となる。

 

しかし、リスクはあくまでもリスク。絶対起きる…わけではないのだから、「このリスクはそうそうすぐに起きることではないだろうし…」と、リスクを理解しながらも、対策は後回しにされることがある。これが予想通り何事も起こらず通り過ぎていれば、良かったね…ですむ話。

だがたぶん、今回の台風や地震、川の氾濫等の災害の結果引き起こされた様々な事象の多くは、そうした「リスク対策を打った、もしくは打たなかった」結果として出てきた内容のはず。

 

言うまでもなく、リスクは「未来に起きるかもしれない事」への備えなのだから、備え自体が無駄になる事だってあり得るわけだ。だが、あまりに経済成長度合いが低くなった今の日本経済状況下において、それでもなんとか利益をひねり出さんために、たぶん多くの組織で、リスクに対する備えの部分にまで切り込んで、ひねり出している現状ではないのか?そんな状況で大丈夫なのか?

 

ある意味、起こるべくして起きた災害。対策自体がToo Little To Late だったかどうかは「起きてからしかわからない」。だから、少し余分かも知れないけれど、事前に多めに発注したり、マージンを乗せたり、余裕時間を持ったりするのが常。

 

正直なところ、もうそのリスクは絶対に起きてもらっては困るので、利益をあきらめますという選択もありではないのかと考える。
それで成功したのが、関西での台風直撃に備えた列車運休の発表だろう。鉄道網が動かないから会社も休みにせざるを得ない。だがそれによって、もしも当日列車が動いていたら、どれだけの災難が生まれ、どれだけの被害、損害が発生し、混乱が生まれていたかもしれない…ということを割り引いて考えれば、それはそれでありではないのか。

 

ただ、こうした「覚悟」すら、だれかに押し付けられなければ覚悟できない各会社において判断者の決断力の無さが情けない。
だから、やっぱり信じるべきは自分。同調圧力といかに戦うか、抗うか。それは自分自身との戦いでも。ほら、あなた、どうせ有給休暇あまってるんでしょ?次の台風や災害の際には、どうどうと休みませんか?