努力の方向

学校の試験の成績が悪くても、スポーツの技が覚えられない時でも、会社で成績が伸びない時でも、どこでも言われるのが「努力が足りない」。

そう、いつもこの「一言」でたしなめられるのだけれど、さて、「努力」ってどうするんでしたっけ?

 

時々ネットなどで、「努力の方向を間違ってる!(笑)」なんてのを見たことはないだろうか。ネット上では、それやっても金にならない、みんなに認められない無駄な努力をもってそう揶揄するわけだけれど。さて、実際の勉強で、仕事で、「正しい努力の方向」ってどっち向きなのだろうか?

 

たぶん、偏差値60以上の大学などへ進学しようとしている/進学していた人などは、その「方向付け」には間違いはないのだろう。正しい方向へ船をこぎだしていける。

だが、けっこう多くの人々は、「正しい方向はどっち?」とまずそこで迷い始める。たまたま「正しい方向」に向いていればそれでもいいけれど、結構な確率で正しくない方向を向いていたり、最初は正しくても、途中から方向がずれてくることだってある。

 

「正しい方向」に向かって、「力いっぱい」漕いでいく。この二つがそろってようやく所望するところにたどり着ける。だから方向付けは大変大切な要素のひとつ。であるけれど、さて、それをどちらに向けばいいのか。

 

そんな時に、向こうで手招きしてくれる、導いてくれる「先輩」や「先生」がいることが必要だろう。それも、遠い遠い先で小さく手を振っているのではなく、自分から手が届きそうな、ちょっと走っていけばたどり着けそうなところから手を振ってくれること。
でも実際は、そこまでたどり着いたときに再び顔を上げると、さらに少し向こうで手を振ってくれている。そうした先輩や先生と出会えるだけで、人生は大きく好転する。

 

場合によっては「こちらを向いて手を振る」などという事はしてくれない先輩もいるかもしれない。なぜなら、その先輩自身も、その先輩の先輩を目指して一生懸命走りだしている。だから、先輩の背中が見えなくなる前に、先輩に追いつくために走り続けなければならないことは少なくない。

 

けれど、そんな理想的な先輩や先生など、すぐにどこにでもいるわけではない。だからこそ、探しに行こう。場合によってはその先輩は、もしかすると自分よりも若い人かもしれない。誰なのかはわからない。だから多くの人に出会い、多くの人の導きに耳を傾けること。努力の方向を正しく導いてくれる人を探すために。