ポイントと言う名の

あちこちのスーパーで、ドラッグストアで、レストランチェーンで、会員カードやスタンプを発行し、100円ごとにスタンプとか、ポイントといった形でユーザー還元を図ることで、顧客の囲い込みが行われている。もちろん私も何枚かそのたぐいのモノは持ってはいる。

 

だがいつも思う。これで「得した」気になっていていいのだろうか?と。これは事実上、そのポイント分で「プライバシー情報」を提供しているに過ぎないのではないか?と。

 

レストラン程度ならまだいい。「あぁこいつはこの前〇〇定食を食べたのか」といった情報が漏れようが大した痛手は感じていない。さらに無記名のスタンプカードなら、個人とその情報が紐づくところはまずありえない。

だが、スーパーなどで、完全に顧客の会員情報の詳細と、購買履歴が手に取るようにわかってしまう場合もある。これの気味の悪いところは、ある時期ある製品を好んで購入していると、「それをさらに推し進めるための、その商品のクーポンを送付してくる」ところ。当然だが完全に読まれている。個別の嗜好や時間のパターンが握られている。

 

もちろん、昔からあるクレジットカードによる購買情報もそれと同じではあるけれど、少なくとも今の日本において、クレジットカードで購買されるものの多くは、日常で使われるような日々の買い物で利用されるケースは、たぶんまだまだまれではないだろうか?

 

とはいえ、個人情報が握られなくとも、少なくともコンビニにおいては、何時ごろに何歳くらいの男性/女性が、どのような商品を購入している…といったことは、ほぼリアルタイムで収集されており、その時の気温、天候などなどで、より多くの売れ筋商品をそろえるために、発注システムと連動しているのはよく知られているところ。

 

もはや、プライバシー情報をまったく流出させずに生活することは事実上無理だろう。…ではあるけれど、すべてをさらけ出して生きるほどの覚悟もない。どこまでを出すのか、どこからは見せたくないのか?それを意識して購入する、対価を払う。そうした事を考える機会があってもよいのではないだろうか?そのポイント分で得した気分になっていて良いのかどうか。