それ、わからないんだけど

大学などで、先生に向けて説明する際や、会社で上長に報告する際に、恐れや恐怖を感じるのは、何のことはない、こういわれることだ。

「それ、わからん」

単純にして最強。この言葉ほど恐ろしいものはない。

 

通常の日常生活であれば、普通はこう考えるはずだ。それは、大学の先生ともあろう権威をお持ちの方が、わからないことなどあろうはずもない。これは大学の先生に限らず、「大人なんだから」とか、「専門家なのだから」などなど、権威などをまとった人、ポジションの高い人、プライドの高い人などが良くとる状況。何かといえば、単純に言うと「知ったかぶり」だ。

こんなことはご存知ですか?などと言ってダイレクトに聞かずとも、言葉の雰囲気として、「こんなことは当たり前に皆さんご存知でしょ…」という空気を醸し出している状況において、単なるプライドだけの人は、知ったかぶりをしてしまいがち。

 

だが、本当に実力のある人、単なるプライドだけではない人の場合、堂々とこう言い放つ。「それは知らない」「わからない」。

ただ、大人になればなるほど、意味のない権威やプライドを身にまとったりまとわされたりして、この言葉が言いにくくなる。

 

小さい子供の行動を思い起こせばいい。彼らは相対的に知っていることが少ない、それを「知る事」が彼らの興味だ。だから、わからないことは素直にわからない、知らないことは知らないと堂々と話す。これこそが最強の力。このパワーで様々な大人がほんろうされ、困り果てる。いや、実はその瞬間こそ学ぶ場であり、成長するポイント。だから、たとえ大人になろうとも、それこそ素直に、知らないことは知らない、わからないことはわからないと伝えることこそが実はとても大きな力だったりする。

 

知らないものは知らないし、わからないものを知っているふりをしてどのくらい得をするのか?と考えれば、素直に言おう。わからん、と。