効率化の非効率

世の中、効率化効率化が叫ばれていて、「残業を減らしましょう」なんていうので、その一環として「プレミアムフライデー」なんてのが設定されたりしたわけですが。実は3月最後、2018年度最後のプレミアムフライデーが先日の金曜日だったはずなのですが、意識していた人は、果たしてどのくらいいらっしゃったのやら。本当に根付く施策は、放っておいてもずっと続くし、逆のものは、いくらテコ入れしたとしても無駄無駄。

 

で、4月からはというと、有給休暇の消化に対する規制も施行されるというけれど、現場の本音(それは、従業員側も、会社側も)として「特に変化なし」というところが多い雰囲気から想像すると、失敗のにおいがプンプンと。

 

というくらい、「効率化」に対してあれやこれやしているけれど、今の「効率化のための施策」のほとんどが、「無駄な仕事時間を削ろう」というところから発想した結果として「仕事時間を削ろう」になっているところこそが、本末転倒でしょ。

この本末転倒ぶりの最たるものは「とにかく早く帰れ!」といった形で、時間になったら職場を消灯したりして追い出すこと。おいおい、それ「早く返すこと」が目的になってやしませんか?

結果として仕事を持ち帰ったり(とはいうものの、最近のプライバシー流出問題とか、機密事項の壁で、持ち帰れないことも多いと思うけど)、リモートで帰ってから会社にアクセスしたり…。

 

そもそも、「それだけの、今までよりも短い限られた時間で、今までと同様以上の成果を目指す」事が先決であり、そのためには、やり切る施策を「個々人」にゆだねてしまえばそれは「個別最適化される」だけ。これ、言葉は「さいてきか」なんだけれど、実質上、全体としてはそれこそ「非効率」にもなりがちで、最も効果をもって効率を上げるためには「全社」的「組織」的な、全体最適をもって効果を目指すのが当然のことのはず。であるにもかかわらず、組織側の提案は「それは、残業しちゃダメ、ということで」なーんてやっているから当然、「「効率化のための施策」の非効率」になることに。何やってんだか。