最高効率化はリスクを最大化する

すでに今年はシーズンを過ぎたが、日本の桜のシーズン…とほぼ同義語に当たるのが「ソメイヨシノの開花時期」だろう。他にも様々な桜の種類があるのだが、基本的に天気予報で扱われるのは「ソメイヨシノ」が多い。

だがこれもよく知られているように、ソメイヨシノは、挿し木で増えてきた種類であり、言葉を違えていえば日本に育っているすべてのソメイヨシノはクローンだととらえることができるらしい。

雄しべと雌しべが交配してといった形で、進化してきた種類ではなく、(クローンなので)すべてが同じ遺伝子。であるからこそ開花時期も育ちの環境(日当たり等)の違いは多少あれ、ほぼはずれない。なので予想精度も高くなることに。

 

ある意味、すべてが同じ種類である事で、最も効率よく立ち振る舞える事象の一つではないだろうか。ほかの分野でも同じようなことがあるらしく、「乳牛」において起きていると聞く。さすがに牛はクローンではないものの、完全ではないだろうけれど、ほぼ一種類で構成されていることで「効率よく育てられ」る。

 

だが、「最高に効率よく」を追及するとこんなことも起きる可能性がある。それは、一つのアクシデントで「全滅」してしまうかもしれないという事だ。

最高に効率が高まることで、実はあるリスクは最大化するということ。上記のような生物に関する自称以外では、関東地方における鉄道網でもそれらが起きつつある。より長距離路線をつないで、乗り換え回数を減らして効率よく輸送できる、利用者からすると利便性が上がる列車網が出来上がることにより、地域のどこかでトラブルが起きると、たちまち遅延が様々な路線に波及してしまう事に繋がる。昨今の関東地方の列車遅延状況はなんなんだろうか?正常運行されている時点では非常に便利なのは確かだ、が、トラブル多くないですか?

「効率、効率」と叫んでいるだけでいいのか?そこをそうやって効率化することにより、なにかをリスクにさらしていないだろうか?という事。これが意識できていなければ、ほんの些細なトラブルで、いきなり大ピンチに陥る可能性を秘めているという事。