競争させすぎてないですか

経済資本主義において、競い合う事、競争することにより、コストが下がったり、技術が進歩したりする…というのはよくわかる。そうして得られた様々な結果を、今我々は享受し、日々の生活において、30年前50年前にはなかった、利便性を謳歌しているのが現状。

 

ただし、いろいろなところで、資本主義を突き詰めすぎた(たぶん本来の資本主義ではなく、拝金主義的というか、お金こそすべてという主義)の状況により、以上に競い合わせすぎていないだろうか?

昨今のニュースで上がっているのは「コンビニの24時間営業、ドミナント出店」だ。ある一地域において、同系列のコンビニを複数店舗、集中的にその地域に展開する。これにより、その近辺においては、どこに回ってもライバル店にお金を落とさずに、「うちの系列」でお金を使ってくれる。これがドミナント出店の考え方だ。
だが、これによって、コンビニオーナーが疲弊してきているのが現状。それは当然で、いままで、その地域にその店1店舗だけだったから売り上げがそこそこ上がっていたのに、いかに同系列であったとしても、店として考えればライバルが出展しているに等しい状況において、店舗当たりの売り上げは低下するのは当然のこと。

要するに、全体最適を測りすぎたことによって、それぞれの店舗とのオーナー契約という契約形態のスキを突いた、個別非最適化により、潰される状況が生まれているだけのこと。これ、極限まで行くと、すべてのフランチャイズ契約を殺したいのか?という事につながりかねない。結果的な金儲け至上主義が生み出した軋轢である事は間違いない。

 

これは「コンビニ」というわかりやすいところであったために、ある意味での社会問題として取り上げられている状況であるけれど、これ、社内においても同じ状況で、社員の効率化、技術向上などを、お題目のように唱える会社上司がまさにそれのはず。
もちろん、個々人の努力が必要なのは認める。だが、常識を超えた異常な努力が求められるという事自体、おかしな状況だ。

 

その反動として昨今は「残業はしてはいけない」などという形で、一見、社員に配慮を測っているように「見せかけている」会社は多くある事だろう。だがそれはそれで、本来の仕事の成果が出せるのか?
実態として、上司が、リーダーが仕事で確実に成果を出せるように調整し、仕事内容を見計らうという「本来のリーダーの仕事」がきちんとできていない(いや、今まではそれをせずして発展してきたので、やり方を知らない人の方が多いかもしれない)という事の方が最大の問題だと思うのだけれど。
とはいえ、いずれそうした上司であったとしても、定年でリタイアしていく。最近だと早々にリストラされる状況も珍しくなくなってきた。
誰か一方的な利益方向のみで競争させすぎてはいけない、でも成長のためには競争させなくてはいけない。本来の仕事で成果を上げることがむつかしくなってきたのが2000年代の日本。21世紀はまだまだこれから。