描くのではなく、浮かび上がってくるもの

昔は週刊誌などの1ページに、必ず迷路なりクロスワードパズルなりがついていて。

今だと数独なんかになっていたりするのかな。

 

たとえば、迷路の解き方にもいろいろ方法があって。

ずっと壁を右手で触っていると仮定してたどり続ければ、やがては出口に通じる、ってな方法とか。

似たような方法なんだけれど、その中の一つとして、「行き詰ったところを塗りつぶす」というやり方も。要するに通れないとわかったところは塗りつぶしていく。と結果的に、正解の経路のみが浮かび上がるという方法。

 

これ、私が仕事の手法として使っているプロジェクトの運営とか、人生と似ているような気がして。

プロジェクトなんて、今までやったことに近い事ならまだしも、いままでやったことのないことに挑戦しなければならないときには、一体どこにどんな危険が潜んでいるのかわからなくて。で、事前にリスクを洗い出してそこには陥らないように手立てをしたり、迂回したりする。目標はあるけれど、そこへの最短コースをまっしぐらに突き進む、なんてことができることはそうそうなくて、まっしぐらに進めば、穴には落ちるは悪路には突っ込むはと、ひどい状況が待ち受けているのがほとんど。でもゴールには行きつかないといけない。プロジェクトはやり切らなきゃいけない。どうする?って時に、じみちに、行っちゃいけないところを塞いで行く。前へ進みながらも横道にそれないようにずっとリカバリーし続けていく。

 

目的に向かってまっしぐら、はい、ゴールにつきました、なんて、100m走のような人生やプロジェクトなんてまずない。いや、そんなのに当たった人は、超ラッキーだと思った方がいいと思うけれど、たぶん次もそうだとは思わない方がいい。

 

複雑な経路に見えるところも一つずつ、行くべきでない経路をつぶしていくことで、やがてゴールへの経路が浮かび上がる。

ゴールしたあとから見ると、道が一本明確に見えているけれど、それは、みちみち、行ってはいけない方向を塗りつぶしてきたからこそ見えるようになった道。袋小路に入り込んだようなら、いったん分岐点にまで戻ればいい。そしてそこを塞いでおこう。二度とそっちに曲がらないように。