夢が転がり始めるために

世の中には、機会があるなら新しいビジネスを立ち上げてやろうと、虎視眈々と狙っている人たちはワンサといる。金と力があるものは、そういうアイデアのネタを引き付ける力を持っている。なぜなら、その金の力を利用させてもらって、アイデアを実現にこじつけようと狙うものが周りからすり寄ってくるからだ。

 

だからそこには、やたらとアイデアのネタは集まってくる。それこそちょっと思いついたものから、(提言者本人的には)じっくり練りこんだものまで。文字通りの玉石混交だろう。

 

アイデアを聞く方はというと、それこそ何百、何千と集まってくるアイデアを見聞きしていれば、それなりにパターンも見えてくることもある。ある程度の数をこなしたところから以降は、どの話も1分ほどそれを聞けば、あぁあのパターンか、ということさえも見えたりする。「数」を見ることで「質」が見えてくる典型だろう。

だが、もしも1分聞いても今まで聞いたことがないような発想とぶつかったら、それは、今までと全く違う発想が入っている可能性がある。

 

 

だがそれが「ビジネス」として“動き出す”のは、そこからだ。たとえ金がなくても、本気でそれがやりたいと思えば、金がないなりの“動き方/行動の仕方”がある。もちろん、金があれば、それはそれで行動がより効果的に素早くできる可能性が高まる。

逆に、「金さえあればなんとかなる」と考えをめぐらさずに進めると、結局その金すら、何も生まずに消えていったりもする。

適切な当人の行動があってこそ、適切に動き出す。金で行動を賄うこともできなくはないけれど、それはブースト行動部分でしかなく、初期行動の部分は賄えない。

 

もう一つは考え抜くこと。誰がどこからどんな突込みを入れたとしても、それに打ち勝ち、論破できるほどに。いくら考えたところで絶対に避けられないリスクに関しても、考え抜いた上での対処を施して、対策を考慮し、必要に応じた準備をする。…としても、さらに新たなリスクが発生するのが“リスク”なんだけどね。それすら考え抜いているかいないかで、大きな差が生まれる。

 

“考え抜き”、そして“行動”する。この二つがそろって初めて、物事は動き出す。世の中で実現にこぎつけられていないことの多くは、そもそも考え抜かれていないか、行動に移せていないか、もしくはその両方であることがほとんど。

両方を兼ね備えている人は、確かに多くないかもしれない。そんな時は、考えることが得意な人と、行動することが得意な人が組んでうまくいく場合もある。

 

あなたが考えることが得意なら、より行動的なパートナーを。すぐにでも動き出すくらいにうずうずしているなら、考えることが得意なブレーンを、仲間にできれば、夢は現実化への道を転がり始めるかもしれない。

 

でも現実は、どちらも中途半端、という人がほとんどじゃないかな。両方を研ぎ澄ますのは至難の業。とするなら、どちらか一方を突き詰めるのも悪くないのかもしれない。なにせ今はつながるきっかけはあちこちに転がっているのだから。