車と電車

友人と話していると、最近車でスキーやスノボに出かけることが減ったという話になった。最近はスキー場も格安らしく、往復の電車代、リフト代などふくめて十分にリーズナブルだという。列車なら行き帰りも楽だし、道具を向こうで借りればそれこそ手ぶらで楽ちん、だそうだ。

 

列車は乗り遅れなければ便利な乗り物だ。目的地まで、車両に乗っている者みんなを運んでくれる。自分から降りることをしない限り、目的地には間違いなく到着する。

逆に、レールが通っているところにしか行き着けない。駅が設置されているところでしか降りることができない。車窓からどんなに美しい風景が見えても、どんなに素敵な街並みが見えても、そこに駅がなければ、基本的に降りることができないし、レールがそこまで伸びていなければ、そこに列車はいきつけない。

 

車なら、道路が道路があればどこでもいける。例え目的地に向かっていったとしても、途中で見える景色がことのほか気に入れば、途中でそこで寄り道をしたって構わない。人気が少なくて、ドキドキすることはあるかもしれないけれど、でもそんな場所だからこそ、踏み荒らされていない素敵な景色が残っていたりする。行先は途中で変更可能。自分の意思でいつでも方向も、目的地も変えられる。

電車は電車の、車は車の、良い点悪い点がある。

 

車で出かけたからと言って列車に乗ってはいけないわけじゃない。列車に乗ったからと言って、車に乗り換えてはいけないわけじゃない。ただ、その乗り換え地点、列車から車へ、車から列車へと乗り換える“駅”が少なすぎれば、途中の駅で間違えて降りてしまったら、車にも乗り替えられないし、次の列車がいつ来るかもわからない、そんな不安を抱えることになる。

 

だから、車が走っている通りまで自分で歩いて出向くか、隣の駅まで歩いていくか、そうして歩まねばならない時がある。