ネイティブ

ネイティブ、魅惑の響きがある。

英語でネイティブのような発音ができるようになりたい。こんな夢を抱いている中学生なんてのもまだいるのだろうか?遠い夢を見ているような気もする。

しかし少なくとも私は日本語ネイティブ。そこそこのレベルで日本語を使える事で、日々生活もし、仕事もしている。…がこれでは特殊性はあまり感じられない。


一時期、コンピュータネイティブみたいな言い方が広まった時期があった。コンピュータリテラシーなんて言葉とも相まって、生まれた時から、もの心ついた時からコンピュータに囲まれて生活してきた、なんて世代がこう呼ばれたりもした。

 

だが考えてみれば、新しい機器、技術が生まれたことで、それらのネイティブの世代というのは当然起きうる。
そんな言い方を聞いたことはないが、たとえば
・電話ネイティブ
それまでは郵便しかなかったところが、直に声が届くということを使いこなせる世代がでたことで、ビジネスは飛躍的に変わったことだろう。

 

・テレビネイティブ
これだってそうだろう。ラジオしかなかった時代の次に、テレビが当たり前のように生活に浸透してきた世代。ついでと言ってはなんだが、ビデオ(録画機)ネイティブ世代ともなると、要するにコンテンツの扱い方、付き合い方が劇的に変わったことだろう。

 

・ゲーム機ネイティブ
どこが発生かはいろんな説があるが、やはりファミリーコンピュータの発明はすごい。これ以後、今に続く家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機という新しいジャンルを生み出した。

 

・コンピュータネイティブ
日本ではPC98あたりから、OS的にはやはりWindows95世代あたりから。世間はパソコンを使いだした。日本だと、「キーボードでの日本語入力には抵抗が…」なんて言われていた時期もあるけれど、そんなことを言う人や記事は、ここ何年もお目にかかったことがない。なれるもんだね。

 

・ケータイネイティブ
当初は自動車電話あたりから普及し始めたけれど、当時はバッテリーが大きくて。伊丹監督の映画である「○○の女」シリーズには、その当時の電話が時々出てくるので、あの当時の時代を感じさせるんだよね。

 

そして
・インターネットネイティブ
たぶん日本ではADSLが普及し始めたあたりからだろう。でもこれもすでに20年近い。その前にはカケホーダイなんていうサービスまであったことを知っているのは、今のティーンにはいないでしょうね。

 

何と言っても今や
スマホネイティブ
すでに赤ちゃんの暇つぶし、あやしの材料として、赤ん坊が使っていたりするんだから。赤ん坊が、(紙の)雑誌の紙面を、スワイプしようとして何度も失敗しているなんて動画も見たことがあるけれど、やっぱりそうなっていくよね。

 

で、たぶんこれからは
・ロボットネイティブ
ドラえもんまではいかなくても、身近に何らかのロボットが居る、そんな世界。となると、対話の仕方も、お願いの仕方も、ネイティブは自然に、そして自分のやりたい事を普通に申し出て、使いこなすだろう。

 

ネイティブになりたい?
そのためには、好奇心を持ち続けないとね。