探すために必要な物

検索エンジンが発達したこの20年。検索窓を目の前に、今のトレンドワードが出てきたり、セカンドキーワードがレコメンド機能で表示されるなど今探されている物、事件等々を探すことは、ネット以前と比べられないほど簡単になった。

 

それ以前なら、いわゆる口コミでジワリジワリと全国に広がり、メディアが取り上げた事でどっと広がりを見せていただろう。しかし今なら、そもそもネットを通じてキーワードが一気に広がり、テレビやラジオ、雑誌がそれを追いかける。
世代間格差はあるだろうけれど、一般での広がりをメディアが追いかけ、その時点でそれに乗っかっていなかったフォロワーが後のブームを作る。しかしネットで先行していたそのネタのアーリーアダプターは、すでに次のネタへと移っている。なんていう仕組みが働いていそうだ。

 

全員ではないけれど、今みんなが捜しているのは「探している物」ではなく「探すための言葉」になった側面がある。探したいものを「言葉」にしなければ、基本的に探せない。頭の中に映像は浮かんでいても、なんとなくイメージがつかめていても、それを言葉にしなければ、ネットでは探せない。
適切な言葉を見つけられれば、一発で探し当てられるそれも、言葉を知らなければいくら探しても見つからない。本当はその「言葉」を教えてほしい。でも知らない言葉は捜せない。

 

その言葉はどこで習うのか、どこで学ぶのか?
やっぱり基本は自分から読むべき本であったり新聞、雑誌だったり。そうした雑多であるけれど編集された情報、ある一定レベル以上の整った情報を摂取していなければ出てこない。
その上で、手慣れた人なら、正しいキーワードを探すための検索を行うことができる場合もあるだろう。

 

いつかはそれもネットだけで十分になるんだろうか?すべての「知」はネットを見ていさえすれば知りえるんだろうか?そうなった時、人間はどうやって忘れることがないコンピュータと渡り合うんだろう?