見守り

赤ん坊がハイハイをし、何かにつかまり、つかまり立ちをして、やがて歩き出す。危なっかしそうなそのシーンだけれど、親は笑顔で見守り、万が一のけがに気を付けて見守る。

その子はその子で歩きたいと、ふらつきながらも、一歩、一歩進む。

もちろん、時にはバランスを崩して座り込む。大きなけがをしない限り、歩むための練習だとわかっているから、親はケガをしないようにしっかりと脇を固め、やがて一人で歩けるようになっていく。

 

人生生まれてからここまで、一度もこけず、ケガをせずに来たなんて人は聞いたことがない。つまづいたり、転んだり、擦り傷切り傷を作りながら成長してきた。けがをしたことで、「あぁ、今度はこんな怪我しないようにしなくちゃ」と気を付けたり、その道を避けることを学びながら進んできた。

 

 

最近のビジネスでは、失敗が許されない。いや、それでも失敗はあるだろうけれど、ペナルティがかなり大きい気がしている。周りを支えるベテラン上司をはじめとするサポート体制も、そもそも他のビジネスに忙しく、そんな誰かのビジネスを見守る余裕がない。となると当然、そんなビジネスはこけたり、つまづいたり、時には大きな失敗をする。

「失敗せずに成長せよ」

矛盾だとは言わないが、かなり難しい。誰もがコケルから、あぁ次はこうコケテはいけないと学ぶところがあるのに、それを事前に「コケルことなき学習で学べ」という。しかも、それに与えられる学習時間は極少と来ている。

 

失敗せずに成長はないだろう。そもそも、それまで失敗したことないやつって時点で、怪しいとは感じないだろうか?どこまで失敗を許容できるか、失敗をサポートできるか?いや、ベンチャーだって同じだと思う。みんなそれぞれ一生懸命だろうと思うけれど、相互に見守る気持ちがなければ、見守るつもりがなければ、ベンチャーで、仲間で仕事をしている意味がない。

 

見守る気持ちがないというのは、チームで仕事をするつもりがないってことなのかもしれない。

 

そんな上司、いたなぁ。

自分事しか見てなかったなぁ。