見える/見えない

新入社員で会社に入った当初。上司というものが、いったい「どんな仕事」をしているのかが良くわからなかった。まぁ、きちんと説明されなかったということもあるかもしれないが。

当然ながら、みんな「同じ形の見える仕事」をしているとは限らない。すべてが「見える作業量」になるはずがない。

だが、言葉には出さないながらも、こう思っている人がいる。

「あの人、暇そうにしてるなぁ。」

 

それぞれの人には、それぞれの役割がある。これが「その人でなければできない、効率が良くない」仕事であれば、その人がずっと登用されるわけだけれど、誰でもいいや、となれば、究極はアルバイト、派遣社員で賄われることになる。

手を動かしたり、身体を動かしたりする仕事は、見える。だから、あぁ、働いてるな、仕事してるなということが、誰の目から見てもわかりやすい。

 

他方、見えない仕事もある。何やってるんだろう?と思いながらも、その仕事が回っていったり、うまく他の人が仕事ができていたりすることこそが、その成果の一部だったりする。

 

見えない仕事は、考えることが多い。が、当然ながら何かしらのアウトプットが出せるはず、という前提がある。このアウトプットがどのくらいのタイミングで出るのか、中間成果物を、評価者にチラ見せしながら仕事をできているのか?がその仕事のポイント。

 

見えるからと言って、価値の高い仕事とは限らないし、見えないからと言って、意味のない仕事とも限らない。その仕事の意味、役割の意味、これをきちんととらえていないと、真の評価はできない。それは「見えない事が見えていない」ということ。

仕事を理解している人、役割をきちんととらえている人は「見えない事が見えている人」に多いように思う。

 

「見えないことが見えていない」人が、組織デザインをしたりすると、「見えない役割り」を担っていた人を外し、見える仕事だけで構成したチームによって、ギクシャクした関係、チームを作り、最悪の場合、崩壊させてしまう。