スタンスの変更

テレビと言うメディアは、この50年、ラジオが持っていた即時性に加えて、映像と言う有無を言わせぬ説得力をもってして、メディアの雄に成りあがった。

 

ネットが普及してこの20年ほど。当初は細々とテキストをやり取りする程度の「かぼそい」流れであったものが、いつしか「土管」の太さも太くなり、同時通信の点では劣るとも、即時性や簡便性、さらには、普通のユーザーにすら放送局となりえるほどの力を与えることで、強大な力となりつつある。

 

それまではテレビが「即時性」を持っていたと思っていたところが、それ以上のスピードをもってして「即時性」という利点を上回って来た。

ここで戦い方は二つある。さらに同じ物差しの上で、さらなる「即時性」すなわちスピードで競争するのか?いや、そもそも物差しを乗り換えていくのか。

 

即時性は、テクノロジーやコストに依存するところが多い。より早くとなると、そうした「網」をどう配置するのか。コストとして見合うのか。たぶんかなり厳しい状況だろうというところは、想像に難くない。

ではそれ以外のものさしに切り替えるか?たとえば、より信頼できる検証とか、より深い考察だとか。これはこれで、これまでのユーザーを引き継ぎつつというところで、かなり運営に偏向を伴い、体制を構築しなおすのも難しいだろう。

 

要はこうしてライバルが立ち上がってきて、今までのものさしで、評価基準では太刀打ちできなくなった時。次の自分たちの評価基準をどこに設定するのか。品質やサービスなのか、スピードなのか、コストなのか。いや、それ以外に、うちにしかない価値観が提供できるならばそれはそれでもいい。

 

それに乗り換えるのか、いや、さらに今までの延長線上で競争し続けるのか。そこが勝負どころではないだろうか。