曲とチャプター

毎年年末年始の休暇では、何本かまとめてDVDを見ることが多い。

ことしもいろいろ見た。

懐かしいモノ、初めて見るモノ。

古くてもいいものはいい。

 

そんな映画。DVDでは複数のチャプターが設定されていることがある。

場面の転換点であったり、ストーリー上の切り替わりとして、そういうチャプターが打たれている。だが、個人的には、あまりチャプターで区切りながら、そうしたディスクを見ることはない。通しで見ないと、流れを見ていないと、見えてこない事があると感じているからだ。他の人はあの機能をどのように使っているんだろう?

 

というところで昔のCDアルバムをふと思い出した。8曲から10曲程度で構成されたアーティストのアルバム。この曲の次にあの曲が出てくるといった「構成」が、一つのアルバムを作り上げている。曲順の大切さ、それに合わせたアレンジの妙などが一体となって、「一つのアルバム」をなしている。

もちろん、そこから切り出した1曲がミリオンヒットになったりもした。が、作家性を重んじるアーティストであればこそ、アルバムの構成を大切にしていた気がする。

 

とするならば、DVDで言うところの映画のチャプターは、ちょうどCDの曲単位に相当するのではないかと。たまたま「1曲」だけがもてはやされたりして「シングルカット」されていた時代もあったけれど、最近はそうした曲が、1曲単位でネットで売られていたりする。これについては歌手?歌をメインとするアーティストはどう考えているんだろうか?

 

聞く側が、流れを意識しなくなった時代のアーティストの、アルバムという意識。

 

でもそれに台頭してか、昨今はサブスクリプションと言う形で、聞き放題でいくらといったサービスが出始めていて。そしてそこでは、その曲順、プレイリスト自体の「構成」の良さ、選択のセンスの価値が見直されていたりする。

 

一つ一つを作る技術と、くみ上げて構成するセンスと技術と。

編集の力、構成の力。