現状認識

いろんなメーカーが、いろんな商品、サービスを作り、いろんなターゲット層に向けて売り出している。

企業サイドの目論見で、「こう使われるでしょ」「こう使ってもらえるでしょ」的にイメージし、それに寄せた戦略の下に企画を組み立て、商品やサービスを売り出していく。もちろん、それで目論見通りに大当たりする場合もある。けれど、往々にしてそういう企業サイドの目論見ははずれ、思ってもみなかった使われ方、利用の仕方に「目からうろこ」となることも少なくはない。

 

そしてそういう「目からうろこ」になったこと、それを見た上でのその企業の反応が、これまた次のカギを握る。

「…と思って作っていたけれど、実際こうやって使われている。じゃぁそっちに寄せていこう」

柔軟に舵を切り、利用者が思う方に寄せていく企業。たまには間違うこともあるけれど、その路線で歩みだし、成功することが多いと感じている。

 

だが、時に企業は間違う。

「どうしてこういう風に使ってもらえないんだろう。やっぱり作りが悪かったんじゃないだろうか?ならこうしてみないか?」

そうして、本当にユーザーが使っている良いところを殺してしまったりすると、途端にモノが売れなくなって息の根が止まる。

 

この状況を俯瞰的に見ていれば、「どうしてこういう風に…」という上記のコメントは、頭が固いとか、現状見えてないよねと言った意見に集約されることが多い。

しかし、「現場」を知らない人ほど、こういう意見を出してくる。うちの企業の戦略はこう。それに対して今季の売り上げがこう。だから、このやり方で結果出てないんだから、とにかく結果出してこいやぁ!進め方が甘いんじゃないのか!的な強硬姿勢。

 

話は変わるが、今や「テレビ」というコンテンツを、放送時間そのままで見ている人は何人いるんだろう。録画機器の進化や、テレビ以外のメディアでのサイマル?配信などもあり、決して「放送時間」に「テレビの前」で、構えてみている人ばかりではないのはすでにもうここ10年で十分に理解されたと思っていた(裏返せば、今までの「視聴率」の意味を問い直すよい機会のはずだが…これはまた別の機会に)。唯一?そうした(リアルタイム視聴が重要視されている)状況がまだ維持されているコンテンツのひとつが、スポーツライブだろう。これとて、まるまる録画してあとで楽しむ人さえいるというのに。

 

だから、録画できなくすると言う事は、

「じゃぁもう“テレビ”で見ないし」

という状況を作り出すだろうと言う事にほぼ直結すると予想するのは当たり前だと思っていたのだが。まだそう考える人、少ないの?誰の認識がずれてるのかねぇ。