道具としての

すでに、内々には動いているであろう来年の就職戦線。

私の知人にも、すでに分析をはじめとして活動を始めている方が多数いらっしゃる。

 

どこの会社に入りたいのか、自分に適した会社はどこなのか?すでに「インフレ」なんていう経済状況をほとんど感じたことがない世代が、働き始めようとしている時代。経済が目に見えて成長しない中、自分で自分の食い扶持を稼ぐために会社に就職する。

 

ただ、「会社」は道具だ。会社に入らなければ生活できないわけではない。とは言えいわゆる「会社」というのは、非常に効率よく稼ぎをあげているのも確かだ。その「会社」に入りたいという事とはどう言うことなのか?

 

会社の分析をしたりして、その会社の歴史や商品を面接時にすらすらと言えるようにと学ぶ学生がいたりする。そういう能力を買う会社がないではないだろうけれど、それがその「会社」が求めていることだろうか?学生さん、ひいては中途採用も含めて、その「会社」の何になりたいのだろう?けっこうな数の人は、「会社に就職して、給与を得られるように」といった、「会社の一部」になりたいと思っている節はないだろうか?

 

すでにいろいろとニュースになっているように、老舗の一流企業であろうとも、ちょっとした間違いで、会社がつぶれたり、吸収されて消えてしまったりする時代。一流だから、一部上場だからと言っていられない時代。だから会社自身も「変わり続けること」が求められる。会社が「その会社」である事が求められているのではなく、その会社が「社会になしえてくれる新しいこと」が常に求められる時代。

だから、会社が新しく人を取ろうとするとき、今までの会社の「一部になろう」「仕事を与えてもらおう」という人が求められている事はあまり多くない。そうではなく、「これからの新しい何かを生み出してくれる力」を求めて、「会社という道具を使って、今までにない何かを広げてくれる事」を求めて、そんな人を探している。

 

会社の一部になるんじゃなくって、会社を使って何を成し遂げたいか、その先を話す必要があるんじゃないかな。

それは会社という道具をどう使っていくか、その先にどんな未来を描きたいかということ。そう、やりたい事ありきの筈で良いんじゃないですか?もちろん、そんな会社ばかりではないのも事実だけど、就職は恋愛みたいなもんでね。相思相愛。お互いにやりたいことができるようにして、お互いにメリットがないとね。