対処は簡単

なんでも対応、対処するのは、実は簡単だ。対応策を「やり」さえすればいい。たいていそうした問題に対処する処方は見えている。それをやるのみ。

…と分かっていても、普通はそう単純には実行しない。それはなぜかと言えば、「それをした後のことを考えているから」だ。

 

対処が難しいのは、後に何が起きるか想像しているから。それを実行したことにより、今より悪い状況を生み出しかねないから。だから皆、二の足を踏む。そう簡単にできないと言う。単純な対処方法が見えていたとしても、それによる副作用、二次作用等々の影響を考える。

時間的作用もある。やればこの1年は良くなるかもしれない…。が、それにより3年後5年後に副作用が来ることもある。

 

このあたりになってくると、それぞれの価値観にかかわってくる。

たとえば、今20代の若者が考える「未来」と、今60代が考える「未来」では、この先50年を見据えるか、この先20年を見据えるかという違いが出る。

こういう時に言われるのが、「子や孫の世代にも安心な…」といったキーワード。どの世代にも共通に描ける、より遠い未来を見通した価値観。共通の価値観で考えさせようとする手法。

でも、昨今の格差状況から言って、そんなことは言っていられない世代、今日明日を何とかしてほしい世代が大量に存在している。「今の俺の状況を何とかしてくれ!」と来年が、来月が、来週が厳しい状況。一刻も早く何とかしてほしい!という切実な訴え。

 

でも、短期対処「だけ」では迷走し、混迷を生み、混沌となるのも事実。だから、長期の展望が描けたうえで、長期対応と同時に、喫緊の対応を行っていくしかない。

 

そのバランス。結局、どこをどうしていくのか、富める者貧しいもののバランス、長期と短期のバランス、難しいことと簡単なことのバランス、すぐに結果が出せることと時間がかかるけれど重要なことのバランス…。

こんなバランス感覚はどこで身に着けるモノなのかな。学校の科目ではなかったと思うけど。