自立する個とチーム

これからは個人の力を伸ばさなければならない。組織に頼るのではなく、自己責任で生きていく。

 

…みたいに言われていることがある。

 

確かに、個人のパフォーマンスを上げるとか、個人の力量を伸ばすといったことが追求されていかないと、大きな組織に寄りかかっているだけでは、経済が成長しなくなっている。

だが、そうして「個」の伸びに頼ることにより、「個」どうしが競い合うのは良いものの、個が個として分断されている状況がとても気になっている。

 

 

「個」の力を伸ばすのは賛成だし、そうしていくべきだと思う。そのために競い合うのも当然だし、そうして切磋琢磨して伸びていくというのはそれでいい。

ただし、競い合うからと言って、それで徒党を組めないというのは違うのだと思う。なぜなら、素晴らしい個が集まればそれこそ素晴らしいチーム、素晴らしい組織が生み出せる。1人ではできないこともチームならできることも生まれる。どうもこれを二律背反しているととらえ間違えていることが多いような気がして仕方がない。

 

日本は、個々に世界に一つだけのオンリーワンを目指せと個の力を伸ばすのは良かったが、それと同様に個人がバラバラに分断されるという過ちを犯していないだろうか?競い合う事はあるし、それが良い結果を生むこともある。が、ずっとそうして孤独を貫くのではなく、思いを同じくする人たちと、いかにチームを組むか、いかに組織だって動くかということを捨てるのは間違いだろう。「個でやらなければならない」のではない。素晴らしい個が集まればいいじゃないか。

 

すでにあまりに個に分断され、自己責任だと言い続けられてきたことで、力がそがれているのではないか?思いを一つに、小さくてもいい、チームで動く喜び、チームで成果を上げる快感を味わえば、日本はもっと活性化しないだろうか?

 

すでにかなり「個」のパフォーマンスが上がった人たちはたくさんいる。いかにチームを組むか、組んだチームをうまく動かしていくか、昔は普通だったそうした営みを、もう一度取り戻せばいいだけじゃないだろうか?