指標

何かを計測するのに、それを測る基準としてどのような指標を用いるのかがとても重要だというのは、聞けば当たり前の事。だけれど、いったん決まった指標、運用されている指標が、そのものを計測するのに最適な物なのか否かというのは、案外見つめなおされることは多くない。

 

日本の食料自給率がカロリーベースという、他の国では見たことがない指標で図られているというのは、何名かのジャーナリストがさいざんうったえているけれど、数字が独り歩きをする。指標をこれに決めた者の勝利だろう。

 

いったん指標が決まれば、みながそれに沿って動き出す。そして、その「ものさし」にしたがって社会が形作られ、制度が動きだし、金が回りだす。

 

あなたがそう思っていなくても、あなたの上司が、あなたを指導する人が、その指標に沿って動きだす。あなたの所属する組織が、あなたの入っているグループが、それに沿って動き出す。

 

何かを動かすというのは、動かす「力」を強引にかけるばかりではなく、動いていく道を整備したり、動くルールを作ることで動かすことができたりする。

指標が示された瞬間に、情報という流れはいっきに流れを変え、時に濁流を生み出すことになる。