仮止め

服を買いに行く。ファストファッション最前線で、オーダーメードなんてのは私のような者にはそうそうチャンスがないわけだけれど、そうであったとしてもパンツ(ずズボン)のすそ上げなんてのは、きっと誰でも経験があるだろう。

 

身に着けてみて、長すぎる部分をここまでと仮止めしてマーキング。断ち切って縫製作業をして身に着ける長さに整える。とは言え仮止めしたところを後で若干修正することは普通にある事。あくまで「仮止め」。その付近に求める値、解がありそうだと目安を付けているだけで、微調整は常にありうる。

 

意見でもポジションでも、議論ができない場合の多くは、そもそもの自分の立ち位置が「ない」場合が多いのではないだろうか?どこにスタンスを取るべきなのかわからない、どこに依拠するべきかが理解できない。

さらに、とは言えいったんどこかにポジションを取った瞬間に、そこを少しでも動かすとまずい、ブレている、という印象を持つ人もいる。

 

でも所詮「仮止め」なのだ。固まってしまって、今後絶対にぶれないというスタンスは危なすぎる。

 

蛇行運転が危険なことは分かるけれど、人間全くブレがない、なんてのはあり得ない。とすると、左右にぐるんぐるんとぶれる幅が広すぎるのは、周りから見ていても危ないし、それこそ近寄りたくもないけれど、どこかに向かって進み続けるために、小さくスタンスが変わる、微調整をし続けるというのは普通。そのために仮止めがあり、仮止めは微調整できるために、弱く固着させておく。

 

そのためにはフリーポジションでいると、そもそもフワフワで調整に入る以前。ガッチリと固着してしまってはもう二度と動けなくなる。あるスタンスで仮止めする、微調整に入る。もしも大きく間違っていれば再度仮止めしなおす。