味見人生

デパートの地下食品売り場は、いつ行っても活気がある。今日のお勧めはこれだとか、この時期の旬が出ました、とか。小さく切って味見ができたり、小さなコップで少し味わえたりと、サンプルの提供にも余念がない。

「お味見だけでもどうぞー!」

と声がかかるが、結構な数の人が、やっぱり味見すると立ち止まるし、買わないわけには…と味見を躊躇してみたり。

 

でも、やってみないとおいしいかどうかわからない。自分の舌に、新しいものを知るには、いきなり丸ごと挑むのではなく、ちょっと味見して、小さなポーションで試してみてというのは普通にやる事。

 

やってみなければわからない。

とりあえず手を出してみる。

やばそうならすぐ引く

 
ビジネスも、経験も、多分これだと思う。
誰かに言われる前に、ちょっと経験してみる。テストしてみる。ちょこっと買ってみる。少しだけ勉強会を覗いてみる。知っている人に聞いてもいい、友達を誘って様子をうかがうだけでもいい。とにかくやってみなければわからない。
 
上司から突然新しい仕事を振られることもあるだろう。そんな時、何にも知らないのと、ちょっとかじっているのとでは、スタートラインに大きな差がある。アンテナを広く張るなんていう言い方をする人もあるが、要するにそうしたネタ、情報に常に触れ、味見をし続けていることの意義を噛みしめる。
 
ただそうしたことができるには、それはそれで「少しの余裕」が各人に必要になる。
昨今、日本はそうした個人の「余裕」まで使って効率化することで、コストダウンに走ってきた悪い傾向が出ているんじゃないかな…というのが心配で。