何も起こらない日々

皆さんの街では、警察が大活躍しているだろうか?

日々パトカーが走り回り、警官が忙しそうに街の見回りをしているだろうか?

そんな街があったとすると、それは、犯罪があちこちで起きる可能性があり、さまざまな悪いこと、事件や事故が蔓延している街ではないだろうか?たぶん、そのような街には住みたくないな、と言う人がほとんどではないかと思う。

こう考えると、確かに警官は時には見かけるものの、何事もなく、平和な日々が送れるような国や街が運営されているというのは素晴らしいこと。警察が日々暇そうだからといって、警官の人数を減らそうとか、給料を下げようと考える人はあまりいないはずだろう。

 

昨今の会社は、ネット社会の中で仕事を運営している。なので、ちょっとした小さな会社であったとしても、パソコンが何台も動いていたり、場合によってはサーバーを構えていたりするところがあっても不思議ではない。そうしたシステムの保守運用をしている人を、SEと呼んだりする事がある。いわゆるサーバーやシステムの管理、保守、運営を担当している人だ。

大きな会社であれば、日々メンテナンス工数もかかるだろうし、将来に向けての施策を打つにも、関係者の調整など、日々面倒な仕事が待っているに違いない。だが、小さな会社においては?そこまで面倒ではないとしたとき、彼らの仕事はどう見えるのか?

一見、何もしていないように見える。なぜなら、何も問題が起こらないから。

でも上記の「警察」の例と同じく、SEが日々忙しくトラブル対応をしている会社というのは、システムがうまく動いていない会社。彼らが、日々のちょっとした気づき、先手、事前対応策を打ってくれているからこそ、実は大きなトラブルが起きず、日々平穏に過ごせているという事。彼らが「暇に見える」という事こそが、彼らが事前に対策を打ち、日々の環境を整えていてくれているという事。

しかしそうしたことを理解できない人は、「何も起こっていないのは、何も仕事をしていないから」という解釈をしがちに。だからと言って、成果が出ていないというのではなく、成果を出した結果こそが平和な日常だという事。

もちろん、どこかにはサボっているSEもいるのだろう。ただそうした場合は、いずれ彼自身、その会社そのものが、大変忙しくトラブル対応に見舞われるのは必然だろう。それをどう見極めるのか?

 

正しく物事を見極めるには、それなりの見識と知識が必要になる昨今。やっぱり、知識がないというのは、以前に比べてはるかに、致命的な時代に来ているのかも、ね。