リテラシーの逆転

昔々、まだ日本にネットがさほど普及する以前。ADSLが始まる以前。とは言え、仕事においてはメールシステムが普及し始め、会社において、一人ずつの個人メールのアドレスが普及し始めたころ。

ソフトウェアエンジニアであれば、日々キーボードとモニターに向かって仕事をしており、何かメールが入ったらすぐにウィンドウを変えて返事ができたりする環境なのだけれど、まだメールアドレスが普及し始めた時代。となると、それぞれが皆、メールを頻繁にチェックできる環境でもなかったという時代。

そんな時代においては、メールでいろいろと複雑な内容の連絡をしたところで、相手が見てくれたかどうかよくわからず、こういうことがあったという。

「あのさぁ、さっきメールで出したんだけど見てくれた…?」と電話する。

「あぁ、今見てみるわ」

笑い話のようだが、実際にいくつもの職場であったらしい。

 

 

そんな時代から約20年を経た今。

 

ネットの有名人曰く、今時の仕事の内容を電話連絡するなどと言うのはもってのほか。そもそも「電話」とは、相手が今何をしていようが、その手を止めさせ、自分の方に向かせる強制力があると。なので本当に相手の事を考えたりするのであるならば、メールやチャットなどと言った形で、相手の都合で返事ができるようなシステムを使うのが、今時のネット時代において当然だとか…。

こうした、なんでもとにかく電話で済ませようとする人々を、今時の若者は揶揄を込めて、「電話野郎」と言うそうだ。若者曰く、まず電話するにしても、メール(やチャット、LINE)で、今電話してもいいかどうか確認すべきだろう?と。

 

 

ま、本当かどうかは別にして、時代のリテラシーというのがあるのかな。(笑)