今更ながら

サマータイム議論、遅まきながら一言。

JOCが…、というよりも、JOCにモノ申せる重鎮が…といったほうがいいのかもしれない。今更サマータイムを検討しないとと言い始め、その重鎮に踊らされて、形の上なのか本質なのかは知らないけれど、国としての検討も…などと動いているように見えるのだが。

さらにそれを受けて、多くのマスコミは「サマータイムとは」とか「サマータイムを入れられる?られない?」みたいな、「サマータイム」に特化した議論を始めている。

 

…が、ちょっと待とうよ。

そもそも「何のために」サマータイムを導入したいのか?目的が明確でない「サマータイム導入の話」として始まり、またそれに踊らされているマスコミ自体が情けない。

まずそれ、本当にオリンピックのためなの?オリンピックの選手のためなの?選手も、観客も含めての対策なの?
もしこの問いが正しいのならば、なぜ「サマータイム導入」議論だけなんだろうか?他にもいろいろと対策の種類があって、そのうえで「サマータイム?」になったんだろうか?そもそもの検討が甘い、思い付きの域を出ていない。

 

さらに、オリンピックのために…というのが少なくとも正しいとする。なら、「サマータイム」が導入されることにより、気温が明らかに上昇するであろう時間をさけて、協議が開催されるというのが大前提。たとえば、マラソンが、通常は8時からスタートのところを、サマータイムで2時間前倒しにした「サマータイム上での8時(適応していない場合の6時)」にスタートする、というのなら、まだ納得できる。
ただしここにはからくりがある。それは放映権の問題だ。基本的に欧米の大企業がスポンサードしているこうした放送を生で行うために、欧米の視聴率が一番高い時間帯での生放送が約束されているとするのなら、たとえ「日本がサマータイムを導入しました」といったところで、「サマータイム導入後の8時」に放送がずれる可能性は小さく、「サマータイム導入後なら10時(適応しない場合は8時)」にスタートするということなら、何にも変わりはない。これではそもそもの目的が達成できないことになる…という議論はいったいどこでなされているのだろうか?

 

会社の会議においても、何かを導入するという事態において、「導入することによって期待する変化」を目的にしていたはずが、「導入すること」自体が目的にする変わっていることはよくある事。とても会議の運営の仕方、議論の進め方が下手な者がその場を仕切っているとよく見る状況だ。

 

サマータイム「自体」を議論したりするのももちろん構わない。が、そもそもの目的などをすっ飛ばして、たんなる井戸端会議をしている暇はどこにあるのだろうか?日本の国力が、経済力が、目に見えて落ちてきているこのご時世で。orz