時間は敵か味方か

小説家や漫画家で、「締め切り」に追われる人の話はよく聞く事例。べつにそんな特別な才能をお持ちの方のみならず、普通の仕事であったとしても、締め切り、タイムリミットに追われることは、誰にでもあり得ること。結果的に、「時間」と敵対して、いつも「時間と戦わざるを得ない人」になると、疲弊し、徒労に終わる人々が山のように生み出されるわけで。

 

だけれど、場合によって時間を見方に着けることに注力している人もいる。その典型例が、株や複利を利用して、自分の財産を増やそうとしている人ではないだろうか?

 

現在の日本はすっかりデフレ、もしくは成長が止まった経済になってしまっているけれど、昔の日本では成長率が数%あり、金利も年利2%や3%付いた時代があった。

仮に、年利2%だとすると、10年で1.21倍、20年で1.48倍にもなる。2.5%なら 10年で同じく1.28倍、20年で1.64倍。現在の金利からすると、恐ろしいほどの増え方だ。であるからこそ、今の高齢者は「預金」を大切にする。特段「株式」といった+にもーにも振れるリスクを取らずとも、そこそこに財産が増えてきた実績があるからだ。これも時間があればこその資産形成。

同時に、そんな時代においては、お金を借りることは恐ろしい勢いで金利による負担が増えていくという事。

 

昨今の状況はというと、そうした預金金利では、実質まったくと言っていいほど増えない。逆に口座手数料などでマイナスになる危険性すらある。であるからこそ「株式」で運用しましょうなどと進められる。
株の場合、一日で数%上昇したりするわけだが、当然のことながら、上下動を繰り返す。なので、じっくり少しずつ増えてきた世代にとっては気が気でならない。こうしたマインドの人々は、ちょっと増えると売って利益を確定し、ひとたび下がると買いまして…を繰り返してショートタームで売り買いを進める人もいる。これは相場に張り付いていないとできない話。

となると、しばらく放っておいてもそこそこに…となると、インデックス債などで投資する。確かにアメリカなどの経済指標は、細かい変動はあるものの、確実に成長している。けれど、それも信じられずに日々の数字に怯える人が、逆に「一発逆転」を狙って大きく博打を打とうとする。と、儲けも大きくはなるのだが、痛手も大きく受けることに。要するにこれでは時間を見方に着けられなくなるという話。

 

ただ、金利が頼りにならなくて、それ以外の方法で…となる場合の大前提は、株式市場に提供されている数字に、信頼がおけること。であるために、上場基準が厳しく求められ、財務状況に嘘があれば厳しく罰せられるのは当然のこと。

けれど、「国」としての数字が嘘で塗り固められていることがばれてしまえば、そもそも、海外からの投資家はその国の市場をいったいどれほど信じられるのか?

 

労働賃金が、経済指標が、もう昔の数字は憶測でしか推察できない状況に。経済も、そして本当にこちらのほうが大きな痛手なはずの「信用」も、揺らぎ始めている国。貧すれば鈍するを、国レベルでやっているようでは。

(…かなり趣旨がずれてきてるなぁ。)