うぬぼれ

調子がよいのをいいことに、こんなことをしても大丈夫だ、どうにかなるだろう、…と思っていたが、やってみたところ想定外!とんでもない事態に陥ることはままある事。個人的にそんな行動をしている奴がいると、文字通りお調子者だとか、自惚れているとみなされて、良い友人がいればたしなめてくれたりもするが、まぁ大半は黙って見過ごされ、失敗をして痛手を被るのが関の山。

それでも、失敗して痛手を被れば、自ら気づいて自身が変わろう、変えようとする力が働くもの。それができないものは、徐々に滅びていくのが世の常だ。

 

だが、その自惚れている存在が、「国家」である場合、話は少し変わってくる。国は国民が動かしているのだけれど、国民全員が直接かかわるのは大変なので、代表者、為政者を決めて、彼らに「民の思いをかなえる代表者」として活動をしてもらう。

しかし為政者とて人。なので、時に民衆の思いをうまくくみ取ってくれない人もいる。さらに、そうした為政者も、自分の思いと同じ方向の人間で徒党を組んで、さらに大きな力としてふるまうことがある。

この力がおかしな方向に動き出すと、なかなか止められなくなるもの。もちろんそのために選挙が存在しているのだけれど、場合によってはその為政者が、徐々に、少しずつ、わからないように、その「変える仕組み」に変更を加えて、気づいた時には「変える仕組み」がまともに機能しなくなるように変更されていることさえある。

 

今、この国は人手不足だと叫ばれている。だけれど、働いていない人がなんと多い事か。働けていない人、と呼ばれることもある。本当に働けないのだろうか?単純に、給与が足りないだけの人はいないだろうか?そもそも、給与が上がる事から景気が上がる事を求めて、ここまで経済施策を進めてきたはずなのに、なぜ、「給与アップ」を差し置いて、人手を輸入しようとするのだろうか?
あなたの周りにこんな人はいないだろうか?スキルはあるのに、しっかり働いてもお金にならないから働かない…などという人がいる場合がある。もちろん、スキルがなくて働けない人もいる。だが、お金がそれなりに出るのなら、頑張って働こうという人は存在するはず。まずはここを掘り起こさずして、なぜ海外から人を呼び寄せようとするのだろうか?

 

さらに言えば、今議論されている外国人を迎え入れる制度に魅力を感じる「海外の人」は、いったいどのくらいいるのだろう?日本にいて日本の働き方だけを見ていると見えていないことがあると思うのだが。「日本」という労働市場は「海外」という労働市場と戦っているはずだ。働き手としては、当然働きやすく、給与水準がよいほうに流れていくもの。時給の安いコンビニAと時給の高いコンビニBと、どちらでバイトしたい?という事。今作ろうとしている外国人労働者の市場は、海外の人の目から見て、魅力的なのだろうか?

 

「日本人」はどうなりたいのだろう?今の為政者、政治家が作ろうとしているような国になりたいのだろうか?「僕は違う」のか「私はあの政党が考えているのと同じだ」なのか、もっと明確に意思表明をすべきではないだろうか?少なくともイギリスも、フランスも意思を表明し始めている。

私は今、日本の国民は、一部の政治家になめられている気がしてならない。