ステレオタイプ

電車の中で、街中で、笑顔があふれているなんてところはあまり見ない。みんなブスッとしてたり、不機嫌な顔をしていたり、周り気にせずスマホに集中していたり。

電車の中で、街中で、誰かに顔を見せるつもりで歩いている、なんて人は、もしかしたら少ないのかもしれない。

 

海外(特にアメリカ?)では、誰かと目が合うと、とりあえず笑顔でHi!という顔をしてニコッと笑う。別に楽しいわけじゃない。気分がいいわけじゃない。このニコッは、「安全」を表すニコッ。私は怪しいものではない、あなたに危害を与える者ではないですよ…を表すニコッ。

 

機嫌がいいのに不機嫌な顔をしている人は多分あまりいない。

反対に、機嫌が悪いのにつとめて笑顔でいようとしている人がいる。頑張ってる人だ。褒められていいくらい。

 

でも、時に機嫌が悪いのなら悪い顔しろよ、変に頑張ってんじゃねーよなんて揶揄する人もいる。悲しい人は悲しい顔してりゃいいんだよみたいな人がいる。

でもそう言う人ほど、そんなステレオタイプな人に声をかけたり、励ましたりして、機嫌の悪いところから、悲しいところから、“私が救い上げてあげましたよ…”という気分が味わいたいだけだったりする。

 

そんな見え透いたあんたのために、わざわざ不幸な顔をしていること自体が意味のないこと。たとえ本当は不幸でも、本当は悲しくても、本当は機嫌が悪くても、つとめて笑顔で、つとめて楽しい事を自分自身で満たそうということのほうが、よっぽよっぽどすばらしいこと。

 

ぼくらは「励ましたい人」に励まされるためにいるんじゃない。

僕ら自身が「自分を励ます人」でいたい。