○次情報

キュレーションだとか、まとめサイトだとか、最近はいろんなサイトがあって、自分の好みでそれらを使っている人はいらっしゃるだろう。

ただ私が憂うのは、一時情報サイトがなかなか増えないこと。
多くは、どこかで取材した記事が“載っている”のをまとめたり、誰かの考えのリンクだけをつないだり。
確かに、整理することで生まれる/見えてくる、新たな情報がないとは言わないけれど、あまりにそれら二次、三次情報サイトばかりが増え続けていることは問題ではないだろうか?

 

結果として、一次情報を作る人たちの大きなコスト負担を、二次情報、三次情報として使うところがほとんど何も支払わずにサイトを構築し、多くの人たちが、その二次、三次情報サイトの恩恵にあずかっている。

これは、こうした二次、三次情報サイトを簡単に作れるようになったことによって、無償部分が外に飛び出してきたこと。それまでは一次情報作成部署が情報機関として成り立ち、二次情報作成機関が内包されていたり、場合によっては二次情報を部外者が作れる環境が無かったりしたことでコストバランスを保っていたのだけれど、そのバランスが大きく崩れたこと。

 

そもそも、「情報を作る」と言う事自体が大きな価値があるはずなのだけれど、それが今までは不明確なコスト負担になっていたところが、いよいよもってそのバランスが崩れることで、「これまでの情報作成ビジネスモデル」が大きく崩れてしまったこと。

 

恐ろしいのは、こうした結果として、一次情報を作るべきメディアが衰退してしまう事。そもそもの、メディアの力、権力に対抗する力がどんどんと弱まる可能性が高まることで、何が危険にさらされているのかが分からないまま、安い方へと流されていくこと。

もっとも「恩恵を受けている」のは、今、無料で情報らしきものを手に入れている庶民なのか。それとも、将来における権力者による力の掌握なのか。

正しい対価を払える仕組みがなければ、強者に牛耳られる日も遠くないのではないだろうか。