安心感のリスク
なじみのお店に行く。いや、別に飲み屋に限らない。本屋でも、近所のスーパーでもいい。いつもの「あれ」がどこにあるのか知っている、今日欲しい「あれ」がどのあたりにあるのか分かっている。これだけでスムーズに買い物が進んだり、欲しい物の物色がはかどる。そんななじみの店。
でも当然デメリットもある。通い続けることで分かってくるということは、裏を返せば「刺激が減っている」ということ、変わりがないと言う事。
心配する必要がないというのは、サプライズがないと言う事に他ならない。
いつもと同じ情景があることで、
いつもと同じ人がいることで、
いつもと同じ商品、サービスがあることで、
緊張する必要も、身構える必要もない。
それが安心感。
でも、「ずーっと安心」であると、それまた退屈になる、刺激がほしい…というのが人間のサガ。
だからといって「絶対安心な刺激」なんていう矛盾を抱えるモノを用意しても意味はない。だってそれは「刺激」じゃないし。その瞬間、その時間は、「安心できない」ことが刺激。それがたとえ一瞬であっても、短い時間であっても。
だから、欲しいものが極限から対極に振れる。どちらかに振れきっていることこそ、危険。