待つ時間

世の中、時間に追われることばかり。

時に、あぁ、時間が余ったどうする?なんてこともあるけれど、その何分か、何時間画を過ぎると、あとのほとんどは時間に追われることばかり。

電車に遅れる、学校に遅れる、会社に遅れる、締切に遅れる、リリースに遅れる、飛行機に遅れる…。場所や事象に「遅れる」をつけて、見つからないモノがないくらい、「遅れる」。

 

これをいかにうまく使えるかということで、さまざまな本が出て、記事が出て、場合によっては流行にさえなる。が、一時のはやりはやがて廃り、そしてまた追われる日々が始まる。

 

他方で、うまく使えている人もいる。そんな短い時間になんでこれだけの事を?というほどいくつも仕事をこなす人がいる。

そうしていくつもの仕事を短時間にこなせる人、いわゆるできる人は、何をうまく使えているのかと考えてみた。

 

それは「待つ時間」ではないかと。

 

自分でもある。待つ時間。料理を想定すればわかりやすいだろう。夕飯の支度をするとするなら、たとえばコメを砥ぎ、水に浸して置いておく。「その間に」野菜の支度をしたり、肉、魚の下ごしらえをしたり。時間が来て炊飯器のスイッチをいれる。「その間に」肉を焼いたり、野菜をいためたり、魚を煮付けたり。

あたりまえだが、人間がそれに対して何もできない時間、「待つ時間」や、機器が勝手に調理してくれる時間、調理のために待つ時間をうまく工夫することで、あるタイミングでコメが炊き上がり、肉が焼け、味噌汁や野菜の副菜が出来上がる。

 

待つ時間。これをどう使えるか。

より大きく言えば、自分が手が出せない時間をいかに味方につけるか。それはいかに「そこに待つ時間があることを認識できているか?」に起因しないだろうか?
 
違う言い方をすれば、どうすれば待つ時間をうまく配置できるか、自分が「待つ時間」をどれだけ持っているか?どれだけ持てるか?どれだけうまく使えているか?
仕事がうまい人は、待つ時間をうまく組み合わせて、それが自分の外側で動く時間を早々に作りながら、あとのその時間で、自分でしかできないことを進める。高い地位についた人は、うまく部下を動かして、その中で待つ時間を使いながら、一気に大きな成果につなげる。
特に誰かに動いてもらう際には、いつまでにできるのか、やってもらいたいのか、何をアウトプットするのかといったことをきちんと伝えないと、タイミングが合わない、すなわち「夕食の支度」で、一品二品、出すタイミングがずれることになる。そのために磨かれるのがコミュニケーション力だったりするわけだが。
 
時間を制する者、特に待つ時間を制する者は、大きな成果を生み出せる。それをいかにコミュニケートするのか、伝えるのか、伝えられるのか。
あなたの待つ時間、うまく使えてますか?