形を守る、本質を守る

今から10年、15年くらい前頃からだろうか。プライバシー情報の取り扱いを、企業が気にし始めるようになった。もちろん、情報機器の高度化、ネットワーク化という背景があってこそのそういった議論。

 

であるはずなのだけれど、「大切だ」「漏れちゃいけない」という末端の行為ばかりが先鋭的に取り上げられて、そこばかりがヤリダマにあがる。

結果、学校や組織の名簿の作成は、事実上なくなってきている。

 

漏れてはいけないのは当然理解できるのだが、それは利便性とのバランスであり。

大抵、そうした連絡簿などがなくなったところにおいても、「でも、必要な人とはすぐに連絡を取る必要があって…」など、実は個別には情報を持っていたり。

結果、それぞれで個別に作ってくださいねという手間ばかりが増えて、利便性が下がってという本末転倒の状況を生んでいるところはあちこちで散見されて。

 

結局、リスクをどこまで取りますか、それによって失われる利便性、それによってこうむる危険性を、共通認識の下でバランスよく判断する場や手法を身に着けなければ、より強い形でしばりつけて自らが動きづらくなることばかりがほとんどで。

特に、昨今の「一人の反対者の声が大きく見える」時代においては、そのバランスのとりかた、運営の仕方ができない組織が、どんどんと自縛していくことに。

 

形を守るのではなく、本質を守る。形だけなら守りやすいけど、本質って抜けがちだしね。

仕事のみならず、身近な事すらリスク管理概念が重要になる昨今。