言われたことはやりました。で、何か?

別に昨今の若者だけとは思わない。昔から言われている事。

仕事をしていて、「言われたことしかやらないやつら」ではダメだよと、働く者の間においては言われているわけだ。が。

さて、「言われたこと以外の何かをきちんと意図して、示唆している人、指示者」というのは、どのくらいいらっしゃるのだろうか?

 

考えてみよう。そもそも「作業方法」を指示している人がいて、それを受けて、その作業をきちんとやりきる事自体には、何も間違いは無いはずだ。が、そこに「指示者」は何かを求める。

「この仕事するなら、こんなことぐらい考えて置けよ!」とか

「これをするなら、ここはこうするのが当たり前!」とか

 

これだけ世の中違う価値観、違う経験値の方々がいる世界。だからたとえ当たり前と分かっていたところで、少なくとも初めの一回においては、その「当たり前」は説明するのが筋だろう。

さらにその上で、その組織は、チームは、会社は、「何を目的としているか?」をきちんとその作業者に伝えているだろうか?別に大したことを言う必要はない。たいてい、「君がやった/作ったそれを、次の工程で使ってもらう人はどう思う?」なんてので十分に意味がある。

 

言葉で言えば一言。この一言が「伝わっていない」からこそ、「言われたことはやりました。で、何か?」となるのではないか?そのほかの注意点、注目点、そのずっと先にある目的を示していれば、たいていの人間は「考えはじめる」。そもそも「何を考えるのか?」を促さない指示者が多すぎないか?

 

指示を受ける方に落ち度が全くないか?と言えば決してそうではない事もあるだろう。が、現在指示者側が求めているのは、「勘のいい子しか採用しないよ」みたいなスタンスではないだろうか?もちろん、その方が仕事の覚えは早いだろう。が、それは反対側から見れば、雇う側の怠慢につながっていないだろうか?

 

雇用主の力は強大だ。だからこそ、しっかりとその責務を果たしてほしい。人を育てる義務を果たしてほしい。今、多くの会社で「自社で育てるパワー」を削り始めていないだろうか?まぁこれさえも、資本家と労働者という力関係の結果なのだけれど。