アイデアの掘り出し

出すアイデア出すアイデア、そんなに素晴らしい物ばかりがポンポンと出せるわけじゃない。とにかく頭をひねり、絞り出して、やっと出てくるアイデア。だからそれらを大切にしようと言う事で、まず否定せず、理解して、テーブルに載せるところから始める。それがブレーンストーミング

そうして些細なこと、気づき、それらを拾上げるところから始まるアイデア出し。でも、最初に出てくるアイデアなんて、たかが知れている。誰でも気づきそうなこと、ちょっと考えればわかる事がわんさか。
でもそれを「どけてやらない」と、その次が出てこない。だからちゃんとそれらを書き出してやる。

 

時にその最初に出てきたのを膨らませる、展開させることで出てくるアイデアもある。
おもしろいね、それをもっとこうすれば、ああすれば…と話を広げる。そこにつながっている別の何本かの導火線に次々に火が乗り移る感覚。
でもこれは両刃の剣でもある。その話に気を取られて、その“隣”にあるかもしれない話に乗り移れなくなる危険性もはらむ。目の前にきらりと光った「金貨」に気を取られて、その数十センチ先に眠っているかもしれない「金の延べ棒」に気づけなくなる、そんな危険性。
でもそもそも、そんなことは誰にもわからないこと、必死で掘って掘って掘り続ける、いっぱい掘るということを押し進めるしか手はない。

 

「いいものをしっかり掘り出せ、ガラクタはいらない」
と言われても、良い物しか埋まっていないと保証された場所ならまだしも、何が埋まっているかわからないところを掘り返すのだから、量で勝負し、その中から質を上げるしか手はないのだ。最初から「質だけ」を求めるのなら、良い「山」を紹介してもらわないと。

 

とにかく掘る。掘って掘って、ヘトヘトになるまで掘って、それでもまだ掘って、掘りつくして。
それでもやっぱり何も出てこない…なんてこともある。でもそのころには、その山全体が分かったり、見渡せたりするようになっていたりもする。決して何も得ていないのではなく、掘り出したものに「価値があると気づけていなかっただけ」ということに気づけるかもしれない。

だから、掘っているのは対象ではなく、実は自分に向かっている…のかもしれない。