狙うべき場所

いわゆるニュータウン的な都会に住んでいた私は、小学校の頃、昆虫採集にあこがれた。昆虫図鑑などを見ると、夜中に、樹液に似せた砂糖水のようなものを塗り、朝早くに見に行けば、虫がたくさん食事に来ている、うまくするとカブトムシやクワガタ虫も…というような記事を読み、実践してみる。

 

…といってもそもそもニュータウン。昆虫が生息しているような里山的なものは残っているはずもなく、人工的に、それもここ数年内に作られた公園があるのみ。親は結果を分かったうえで、黙って私の行動を見ていたんだろうなぁ。私は一人で勝手に液を作って塗りに行き、一人で勝手に見に行って、一人で勝手に落胆して帰ってきた。書かれている通りにやったのに、どうして虫は来ないんだろうと。orz

 

あまりにあたりまえ、そもそも虫自体がほとんど生息しない場所で、そこに生息しない虫を集めようなんてのは無駄足も無駄足。いないものは捕まえようがない。そこにある程度虫が“いるであろう目途”がある上で、仕込みをして捕獲する。

 

別に虫に限ったわけじゃない。魚でも魚影を追うし、野生動物でも、その生息痕を根拠にわなを仕掛ける。いないところに仕掛けを置いても、そもそもかかるものがいなければ話が始まらない。

 

 

 

見つけたいターゲットは、見つけたいターゲットがそこそこに生息している場所で探さないと見つからない。どこでもいいから、と自分が仕掛けたい仕掛けを場所を確認せずにそこに置いたところで、そもそも「獲物」はそこを通り道にしていないのでは空振りもいいところ。

 

ターゲットがいる場所はどこか、ターゲットの活動場所はどこなのか?

ターゲットの行動範囲はどこか、ターゲットが使っているのは何なのか?

適切な場所を、適切な探査装置で探したうえで、そのターゲットが欲する仕掛けをそこに仕掛けること。

 

自分が打ち出したい商品があり、そのターゲットが明確に存在するならば、その「場」を探すのが一番だ。しかし時には商品があっても、そのターゲットが明確に存在するかどうかさえ分からなかったり。そもそも打ち出したい技術があっても、それが商品の形になっていなかったり。とするとそのターゲットの生息場所はますますわからなかったり。

 

ターゲットが明確に存在する?

だとするなら、その生息の場はどこになる?

…とわかれば、そこに仕込みをしておこう。

そうすれば、自ら手をこまねいてわなに追い込まなくても、ターゲット自らがその仕込みの中に入ってきてくれる。

 

“狩り”は獲物がいる場でやらないとね。