延長線上の世界?

選挙などが行われると、解決してもらいたい問題のベスト5みたいなものが有権者に問われ、アンケートが取られることがある。そして必ず入っているのが、景気回復。

 

ところで景気が回復するとみんな幸せになれるんだろうか?少なくとも以前よりもよくなれるんだろうか?

資本主義と言うのは、ぶっちゃけて言えば、ごくごくゆるーいインフレがずっと続いていてくれることを望む社会。それをもってして景気がいいと言ったりする。発展していると言ったりする。

 

すでに20年前、30年前に比べ、僕たちはとても便利になっているはずだ。それこそコンピュータの発展や、携帯電話、ネットワークが隅々にまで張り巡らされた社会。車は高度にインテリジェンス化し、ナビさえあれば迷うこともほとんどない。

仕事も高度化し、以前ならひと月かけて分析していたような情報が、今や一瞬で処理されていたりもする。

それで人々は幸せになったのか?

 

正規雇用が激減し、派遣社員化、アルバイト化している社会。それによって社会構造は二極化し、持つ者と持たざる者とを分断する。そもそも、持たざる者の多くは株など持たず、株価が上がろうと、会社業績が上がろうと、非正規社員として恩恵を被るところから遠く離れていたりする。

反対に、であるがゆえにリーマンショックなどといった株価下落は他人事かというと、決してそんなことはなく、すぐに雇用に跳ね返り、派遣切り、リストラの嵐が吹き荒れる。

 

経済回復と言っているけれど、「今まで想像していた回復」ではそれが繰り返されるだけではないのか?皆が望んでいるのは「今までの延長線上…ではない景気回復」ではないのか?

成りたい未来を誰かに委ねるより、自分でしっかりイメージしておかないと。