本を読まない

先月だっただろうか、大学生で全く本を読まない者の割合が4割を超えた…なんてのがニュースになって、ちょっとした話題をさらっていた。大学生協が全国の大学で実施した調査で、8000人以上の回答から得られた結果らしい。

 

大人の一部はこの見出しだけで、

 「だからいまどきの学生は…」

といったかたちで、これ見よがしに話題に。

もう少し落ち着いた大人はさらにその記事の中身を読み進む。と、そこには、スマートフォンの普及により手軽に情報を得られる機会が増えたことにより、娯楽や教養としての読書のポジションが下がっている事が記載されていたりする。

 「時代だね。でも本は本でいいところがあるんだけど…」

などと、またまた自分を安全地帯に置いた発言をする大人もいる。

 

 

大学生ばかりを責めるようなメディアのあおりがあるようだけれど、翻って大人、社会人と呼ばれる人たちはどうなのか?そもそも、統計的データがあるところでの話しか話題やデータとして扱われないから記事にならないだけであって、今の大人はどうなのか?

 

電車の中を見てみればいい。前の6人掛け、7人掛けの座席に座っている大人全員が、スマートホンに目をやり、イヤホンを耳に入れて指でツンツン操作している、なんて光景は珍しいものでもなんでもない。昔なら多くは本を読んでいたり、新聞、雑誌を読んでいたりした人たちのはず。それが多くはスマートホン、若干は大人であってもゲーム機だったりする。

スマートホンだって、記事を読んでいるとは限らず、簡単なゲームにいそしんでいる人は少なくない。

 

大人がゲーム?なんて言われた時代もあったけど、そもそもスマートホン以前、ガラケー時代からゲームは浸透していたし、ガチャと呼ばれる課金問題が取沙汰されたのもほんの数年前の事。

 

 

それを思うと今の学生はすごいと思う。

これだけネットの誘惑、さらにSNSによるつながらなければならない脅迫的誘惑に晒されながら、学び、勝ち抜いて大学に、社会に出てくる。とても自分が今学生だったら勝ち抜いてこれる気がしない。

勉強が「できない」自身はたっぷりだ。

 

本を読まない?そんな一面的なことで「大学生」をネタにするくらいなら、自分を振り返ってみた方がいい。今社会人のあなた、昔なら月に、年に何冊か本や雑誌を読んでいたはずのところ、何冊読んでますか?