時間でとらえれば

「企業」とは、ある意味できることはこれですと決めた組織、うちができる得意なことはこれだと宣言した組織ともいえるだろう。違う見方をすれば、やらないことが明確になっていたりする組織だ。

 

逆の定義をしている組織もあるだろう。たとえば「誰かが幸せになることは何でも実践しようとする」というのもあるかもしれない。ただしそれはある分野に限られることが多い。たとえば食事として提供することなら…とか、快適なひとときを過ごす場を提供するとか、いずれにせよ時間なり空間なりのある時間を満足させようとする。

 

 

無制限に、何でもやります、何でもできますという企業はない。24時間の事象をすべてではなく、その中の、たとえば食事の時間を、くつろぎのひとときを、晴れの日を、家族だんらんのひとときを、仕事で立て込んでいるその時間を…サポートできる物を作るのか?サービスをするのか、情報を提供するのか等々、そうしたその企業ならではのお得意を提供するからこその「企業」。

 

モノとか、サービスといった形でとらえるからこそ話がややこしくなることがあるけれど、「どの時間」を満足させるのか、よりよい形で過ごすことができるようにするのかと考えれば、その企業の特徴、サービス、製品の意味がよくわかるのではないだろうか?

これまで1時間かかっていたことを1分でこなせるとすると、あとの59分は、そのお客様にとっては自由に使える時間として提供できることになる。

 

時間は、誰にとっても有限。1日は24時間であり、お金持ちだけは26時間ということはない。ただし、現実的にはお金持ちであるからこそ、自分でやらなければならないことを誰かにお金で肩代わりしてやってもらうことで実質的に時間を買うことができる側面はなくはない。

が、物理的時間は誰にも等しく割り当てられている。それをどう使うか、どう快適に過ごさせることができるのか?

それを、好きな音楽をより多く快適に聞くことができる装置を生み出すのか、より音楽を簡便に探し出せるサービスを作り出すのか、それとも、より心地よい音楽に出会う可能性を上げるサービスを作るのか。

 

時間と言う切り口でとらえれば。