説明の前提

叔母から連絡がきた。パソコンに関する質問だ。

多分私に限らず、既にリタイアされている世代のデジタル環境、パソコン環境の面倒を見ているという方はいらっしゃるだろう。

 

昔はメール、最近なら人によってはLINEとかSkypeiPhoneならFaceTimeなどを使いながら、いわゆるテレビ電話を使ってのサポートになる。言葉だけよりもわかりやすくはなっているけれど、それでも「相手の理解度」が分かりやすくなったわけではなく、やはり遠隔サポートは難しい。

 

「何が分かっていないかわからない人」に向けて、説明をするのは大変だ。

まず相手が「何をしたいか」を聞く。まぁ質問の基本中の基本。それを聞いた上で、相手の技量、理解度に勘案して説明する言葉を選ぶ。いきなり専門用語を羅列しても混乱するだけだ。それらを使って会話できるのは、そもそも基礎概念が理解されている者同士であるから、そこを土台としてやり取りができるのであるけれど、そうでない人に専門用語で話しかけたところでちんぷんかんぷん。最近はその傾向があちこちで高まっている気もする。(別にデジタル機器だけに限らない。政治用語や経済用語、法律用語などなど、専門性の高い言葉を使う場面はいくらもあるのだから…)

 

その上で、相手が「何が分かっていないか」を理解する必要がある。そもそも、できないことを聞いてきているのか、できる可能性があることを聞いているのかすら相手は分かっていないこともある。(ま、だから質問してくるのだが)

さらに困る場合は、そうして操作するべき機器に慣れていないことだ。世間一般で呼ばれている一般用語ではなく、自分なりの呼び方(たとえばフォルダーの事を、四角い黄色い本みたいなマーク…)で言われてもすぐにはピンとこない…orz。

 

昔よりも連絡は便利になった。便利になったがゆえに、サポートしてもらえると安易に期待する向きもある。

けれど、便利になったがゆえに、技術は高度になった。基礎概念を理解していない人には、その一時の通話を通じてそこから始めるのは非常に時間的に厳しい。しかし特に日本は、「でも何とかしてよ、無料で」なんて形で、サービスにはお金はかからないと思っている人もいる。すべての場合にあてはまるわけではないけれど、その人の無知/無勉強の分に関しては、それなりに対価を支払っていただくほかないわけだが。

 

いや、まさにその場のやり取り一つ、言葉の選び方ひとつで、場合によっては「上顧客」にもなりえる。だが一つ間違えるともう二度とあなたには頼まないとなることもある。

(今回のように、親戚ではお金も取れないわけで…)

 

結果的に、まだ解決してはいない。

また一週間後に呼び出されそうな気がする。

orz