すぐ効く薬

頭が痛い!頭痛薬を飲んだり。

腰が痛い!湿布をはったり。

 

私たちは普通、問題に直接働きかける形で、問題の解決を図ろうとする。
しかし、頭が痛いのは、実は虫歯のせいであって、頭痛薬を飲んだところで根本原因の解決には一向につながらないこともある。腰が痛いのは、そもそもここ半年で体重が5㎏も増えたことによるわけで、湿布が切れればまた痛みが生じるのは当然だったりする。

これは、仕事においてもそうだろう。
プロジェクトの運営で何か問題がある。「その問題」を解決するにはどうすればいいか?「そこ」を解決するための手法を欲しがる。

 

だが、それでは部分的な対処にすぎず、チーム内に潜むひずんだ力学が抑え込まれるだけに過ぎない、なんて事例は、あちこちで聞くはなし。

少し俯瞰してみて、全体から想像すると、実は監視ができていないこっちにも、あっちにもひずみが生じていて、「ここ」だけの問題ではないことがわかってきたりすることもある。

しかし担当者としては、そういうことを指摘されることも、けっこう辛い事だ。自分がしっかり監視できていないということが露呈されるのだから。
だから「いや、そんな大がかりではなく、この問題だけなんとか解決できればいいんです!」なんて頑張っちゃったりもする。

 

すこし頭を冷やして考えた方がいい。
そして、アドバイスする側も、ダイレクトに指摘しない方がいいかもしれない。やんわりと、プライドを傷つけないように。なんせ最近の人たちは、ガラスのハートらしいのだから。